九通(読み)キュウツウ(英語表記)jiǔ tōng

デジタル大辞泉 「九通」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐つう〔キウ‐〕【九通】

中国歴代制度沿革を記した9種の書。全2388巻。「通典つてん」「通志」「文献通考」「続文献通考」「皇朝文献通考」「続通典」「皇朝通典」「続通志」「皇朝通志」を総称していう。の乾隆年間(1736~1795)に成立

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精選版 日本国語大辞典 「九通」の意味・読み・例文・類語

きゅうつうキウツウ【九通】

  1. 中国の叢書。二三八八巻。清の乾隆年間(一七三六‐九五)に成立。政書を集めたもので、唐の杜佑の「通典」、宋の鄭樵(ていしょう)の「通志」、宋の馬端臨の「文献通考」、乾隆一二年勅撰の「続文献通考」、「皇朝文献通考」、同三二年勅撰の「続通典」、「皇朝通典」、「続通志」、「皇朝通志」を収めたもの。これに「皇朝続文献通考」を加えたものを十通という。

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改訂新版 世界大百科事典 「九通」の意味・わかりやすい解説

九通 (きゅうつう)
jiǔ tōng

中国,書名に通の字を持つ9種類の制度中心の百科全書集。唐の杜佑(とゆう)の《通典(つてん)》,宋の鄭樵の《通志》,元の馬端臨の《文献通考》は,性格は違うが歴代の制度沿革を知るに有用な書で三通と呼ばれてきた。清の乾隆帝は1747年(乾隆12),67年にそれぞれ〈皇朝〉と〈欽定続〉の名を冠した《文献通考》《通典》《通志》6種を勅撰,これらが一括して九通といわれるが,実録,会典などにくらべ,二次史料的でかつ膨大なため,あまり使われない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「九通」の意味・わかりやすい解説

九通
きゅうつう
Jiu-tong; Chiu-t`ung

中国,歴代の政治制度を記述した9つの書の総称。唐の杜佑撰の『通典』,宋の鄭樵撰の『通志』,元の馬端臨撰の『文献通考』の三通と,清代編纂の『欽定続通典』『欽定続通志』『欽定続文献通考』の続三通ならびに同じく清代編纂の『欽定皇朝通典』『欽定皇朝通志』『欽定皇朝文献通考』の皇朝三通から成る。九通としてまとめられたのは清の乾隆時代 (1736~96) 。なお清末の光緒時代 (1875~1908) 編纂の『欽定皇朝続文献通考』を加えて十通ともいう。

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