亀甲石(読み)きっこうせき(その他表記)septaria

日本大百科全書(ニッポニカ) 「亀甲石」の意味・わかりやすい解説

亀甲石
きっこうせき
septaria

偽化石(ぎかせき)の一種。石灰岩質の細粒岩(泥岩や頁(けつ)岩)が続成作用を受けたために、石灰岩質の団塊を生ずることがある。楕円(だえん)体形の団塊の表面に亀(かめ)の甲状多角形割れ目ができて、割れ目に沿って炭酸石灰が沈殿して方解石細脈が生じたものを亀甲石(セプタリア)という。割れ目には炭酸石灰のほか、まれに石膏(せっこう)、黄鉄鉱重晶石などが沈殿することもある。日本では北海道夕張地方の中生代白亜系や、新潟県の新生代第三紀中新統の地層に多くみられる。

大森昌衛

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改訂新版 世界大百科事典 「亀甲石」の意味・わかりやすい解説

亀甲石 (きっこうせき)
septaria

観賞石(奇石)の一種。楕円形で扁平な石の表面に多角形の亀裂を発達させ,亀甲状の模様を呈する岩塊直径が数十cmから数mのものまである。群馬県多野郡上野村の亀甲石産地は天然記念物に指定されている。これは泥岩,ケツ岩の堆積岩層に岩塊として産出し,団塊の一種で,石灰質泥が脱水・収縮するときに生じた亀裂に方解石などが沈殿してできるものといわれる。
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最新 地学事典 「亀甲石」の解説

きっこうせき
亀甲石

septaria

コンクリーションの一種で亀甲石団塊(septarian nodule)ともいう。方解石やまれに重晶石・石膏・黄鉄鉱で埋まった亀の甲状の割れ目をもつ。これは泥岩の乾裂に似て,おそらく固結時にコロイド物質の乾燥収縮でできたもの。チョークや石灰岩中のフリント質または玉髄ノジュールにみられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「亀甲石」の意味・わかりやすい解説

亀甲石
きっこうせき
septaria

泥質の球状団塊の表面に多角形の裂け目ができ,方解石などの鉱物で充填された石。亀の甲に似るのでこの名がある。泥岩中のノジュール (団塊) のコロイド物質が乾燥収縮して,乾裂が鉱物に充填されたものとみられる。

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世界大百科事典(旧版)内の亀甲石の言及

【擬化石】より

…ドイツではこの模様を活用して,商品名ゾルンホーフェン石の名で装飾用石材として販売されている。また亀甲石と呼ばれるものは,特定の形をした節理にもとづく表面の模様が亀の甲に似ている泥灰岩(マール)などである場合が多い。菊花石と呼ばれる奇石の一種には,形が菊の花に似ており,なんらかの化石の断面を想像させるものがあるが,これはアラゴナイト(アラレ石)という鉱物が放射状に集合したもので化石とは無関係である。…

※「亀甲石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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