日本大百科全書(ニッポニカ) 「亀谷哲治」の意味・わかりやすい解説
亀谷哲治
かめたにてつじ
(1917―1988)
薬学者。東京生まれ。東京帝国大学薬学科卒業。薬学博士。大阪大学助教授を経て、イスラエル大学教授ギンスブルクのもとに留学。1959年(昭和34)東北大学教授に就任、薬品製造学講座を創設し、有用医薬品創製目的の天然物の有機合成化学研究に力を注ぐ。1969年「複素環化合物の合成研究」で日本薬学会賞を受賞。ついでアルカロイド、テルペン、生理活性ステロイドの全合成へ研究は発展した。1976年薬学部長。1979年紫綬(しじゅ)褒章、1980年藤原賞受賞。同年「レトロマススペクトルによる天然物の全合成」により日本学士院賞受賞。日本学術会議会員。星薬科大学学長、日本薬学会会頭などを歴任。著書に『有機薬品製造学』上下(1965)、『有機合成化学』(1974)ほかがある。
[根本曽代子]