二次感染(読み)ニジカンセン(英語表記)secondary infection

デジタル大辞泉 「二次感染」の意味・読み・例文・類語

にじ‐かんせん【二次感染】

同じ人が、ある感染症に続いて別の感染症にかかること。続発感染
集団感染で、最初に発症した人から次の人に感染すること。また、最初の感染者であるかに関わらず、ある人から別の人に感染すること。続発感染。→初感染

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精選版 日本国語大辞典 「二次感染」の意味・読み・例文・類語

にじ‐かんせん【二次感染】

  1. 〘 名詞 〙 ある病原菌の感染によって抵抗力が弱っているところへ、さらに別の菌の感染をうけること。たとえば麻疹(はしか)肺炎が続発するような場合。続発感染。

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改訂新版 世界大百科事典 「二次感染」の意味・わかりやすい解説

二次感染 (にじかんせん)
secondary infection

宿主一種病原微生物の感染が成立した後に,別種の病原微生物による感染が加わる場合を二次感染または続発感染という。宿主に2種以上の病原微生物がほぼ同時に感染する混合感染との区別がむずかしい場合が少なくない。このような場合,重感染または重複感染と呼ぶことが多い。

 二次感染は呼吸器感染症の際,しばしばみられる。急性上気道感染症いわゆる風邪の原因の大部分ウイルスであるが,細菌二次感染をきたすことが少なくない。インフルエンザに続発する肺合併症を病原的に分けると,インフルエンザウイルス肺炎,細菌二次感染による細菌性肺炎および両者の混合肺炎とすることができる。また麻疹や百日咳も細菌二次感染を起こしやすい。これらの二次感染細菌として肺炎球菌ブドウ球菌,溶血性連鎖球菌,インフルエンザ菌,および乳幼児ではグラム陰性杆菌などがあげられる。さらにこれらの細菌による中耳炎の合併もよく知られる。
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世界大百科事典(旧版)内の二次感染の言及

【感染】より

…病原微生物の多くは生体に侵入し増殖して直接に疾病を引き起こすが,なかにはジフテリアや破傷風のように,病原菌は侵入個所にとどまって,菌の増殖の結果,放出する菌体外毒素が体内をめぐって筋や神経を障害し疾病を引き起こすものもある。また,生体がある病原体に初めて感染する場合を初感染,同一病原体に再び感染する場合を再感染,同一生体に2種以上の病原体が同時に感染するときは混合感染,1種の病原体による感染が成立したのちに,他種の病原体の感染が加わったときは二次感染という。たとえば,小児が麻疹ウイルスに初感染し,麻疹として経過しているとき,化膿菌の二次感染を起こして中耳炎や肺炎を合併することがある。…

※「二次感染」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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