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二重真理説 にじゅうしんりせつtheory of twofold truth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

二重真理説
にじゅうしんりせつ
theory of twofold truth

神学と哲学啓示理性信仰と認識のそれぞれの真理が互いに矛盾することがありうるとする二元論。 13世紀のラテン・アベロイズムがその典型とされる。しかしその代表者シジェ・ド・ブラバンは,哲学とはアリストテレス研究であって,それが信仰と矛盾していてもかまわないと主張したにすぎない。この一派は 1270,77年にパリ司教 E.タンピエによって異端とされた。 14世紀には哲学の厳密性を求めたドゥンス・スコツスが,神の存在や霊魂不滅などの命題を,論証しえないが信仰のうえでは真なるものとして二重真理説の傾向を示した。その立場を明確に打出したのはオッカムで,彼とともに中世的な哲学が終る。なお,教会内部ではあくまでも異端とされるこの立場の最近の例は,A.ロアジらの近代化運動にみられる。

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大辞林 第三版の解説

にじゅうしんりせつ【二重真理説】

後期スコラ哲学にみられる、信仰と知識との関係についての考え方の一。啓示によって与えられる信による世界把握と、理性の推論によって得られる知による世界把握とは、それぞれ別のことであるから両者ともに容認される、と考えるもの。

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