日本大百科全書(ニッポニカ) 「五原」の意味・わかりやすい解説
五原
ごげん / ウーユワン
中国、内モンゴル自治区中部の県。バインノル市に属し、後套(こうとう)平原上にある。人口28万1408(2014)。南は黄河(こうが)に臨み、包蘭線(パオトウ―蘭州(らんしゅう))が県域南部に通じる。県南西部には2011年開港のバインノル天吉泰空港がある。黄河の水を引くウジヤ河をはじめ、多くの用水路が県内を縦横に貫流し、灌漑(かんがい)農業が盛んである。小麦、米、アワ、キビ、食油用アマ、サトウダイコンが栽培され、ヤギをはじめとする牧畜も行われるほか、コイの生産でも知られる。もとモンゴルの部族烏喇特(ウラト)部の遊牧地であったが、清(しん)朝末期の20世紀初頭に農業移民の手で開墾されて農業地帯となり、五原庁が置かれ、1912年五原県となった。
[河野通博・編集部 2017年12月12日]