五欲(読み)ゴヨク

デジタル大辞泉 「五欲」の意味・読み・例文・類語

ご‐よく【五欲】

仏語人間がもつ五つの欲。しきしょうこう・味・そく五境に対して起こす欲望。また、財欲・色欲・飲食おんじき欲・名欲・睡眠欲の五つ。五塵ごじん

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精選版 日本国語大辞典 「五欲」の意味・読み・例文・類語

ご‐よく【五欲】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 色・声・香・味・触の五境に対して起こす情欲五塵
    1. [初出の実例]「涅槃経に云はく、五欲の法を知らば、歓楽有ること無し、暫くも停まること得じ」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
    2. [その他の文献]〔大智度論‐一七〕
  3. 財欲・色欲・飲食欲・名欲・睡眠欲の五つの欲望。
    1. [初出の実例]「皆人の知りがほにしてしらぬは死する事也。誠にしるならば、五欲(ゴヨク)財利もなににかせむ」(出典:米沢本沙石集(1283)八)
    2. [その他の文献]〔大明三蔵法数‐二四〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「五欲」の意味・わかりやすい解説

五欲
ごよく

仏教用語。5種の欲望の意で、五官の欲望、悦楽(えつらく)のこと。目、耳、鼻、舌、身の五つの感覚器官(五根(ごこん))が、それぞれ色、声、香、味、触(触れられるもの)の五つの感覚対象(五境(ごきょう))に執着して引き起こされる5種の欲望をいう。また五境を享楽すること。総じて、世俗的な人間の欲望一般をもいう。五つの感覚対象それ自体は欲望ではないが、人間の欲望を引き起こす原因となるから、五境も五欲といわれる。なお、財欲、性欲、飲食欲、名誉欲、睡眠欲の五つも五欲という。

[阿部慈園]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五欲」の意味・わかりやすい解説

五欲
ごよく

仏教用語。5つの感覚器官に対する5つの対象,すなわち形体のある物質 (色) ,音声 (声) ,香り (香) ,味,触れてわかるもの (触) をいう。これらは,欲望を引起す原因となるので五欲という。また,財欲,色欲,食欲,名誉欲,睡眠欲を五欲という場合もある。

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普及版 字通 「五欲」の読み・字形・画数・意味

【五欲】ごよく

耳・目・鼻・口・心の欲。

字通「五」の項目を見る

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