精選版 日本国語大辞典「五」の解説
いつ【五】
〘名〙
※万葉(8C後)五・八八〇「あまざかるひなに伊都(イツ)とせすまひつつ都の手ぶり忘らえにけり」
※年中行事秘抄(12C末)鎮魂祭歌「一(ひと)二(ふた)三(み)四(よ)イツ六(むゆ)七(なな)八(や)九(ここの)十(たりや)」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「皆(みんな)がお諷(うた)ひ。一二(ひとって)、三四(みいよ)、五六(イイツむ)七八(なんなやあ)には、九(こう)と一十(いちじゅ)ヤ」
い【五】
〘名〙 (「いつ(五)」の変化した語) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの五。多く「いそ(五十)」「いほ(五百)」などと熟して使われる。
※書紀(720)景行一二年一〇月(寛文版訓)「是の五(イ)人(とり)は並びに其の人と為り強力(ちからつよ)くして」
いい【五】
〘名〙 (「い(五)」を延ばして発音した語) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの五。
※童謡・お山の杉の子(1944)〈吉田テフ子・サトウハチロー〉「一ィ二ゥ三ィ四ォ 五(イ)ィ六ゥ七ァ 八日 九日 十日たち」
ウー【五】
〘名〙 「五」の中国音。ご。いつつ。薬種商、絵の具商などの取引や、拳(けん)の勝負などにも用いる。
ぐ【五】
〘名〙 ばくちで、さいころの目の五の数をいう。
※新猿楽記(1061‐65頃)「大君夫者、高名博打(ばくうち)也。〈略〉語条尽レ詞。謀計究レ術。五四尚利目(なをりめ)、四三小切目」
ごん【五】
〘名〙 五合(ごんごう)を略したもので、酒についていう。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「角大(炭の銘)を抱て、劔菱(酒の銘)五(ゴン)(五合の事)といふ正月だ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報