(読み)ゴ

デジタル大辞泉 「五」の意味・読み・例文・類語

ご【五】

数の名。4の次、6の前の数。いつつ。いつ。「四のの言う」
5番目。第5。
[補説]金銭証書などで間違いを防ぐために、「伍」を用いることがある。
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ九つとお

ご【五】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]いつ いつつ
学習漢字]1年
〈ゴ〉
数の名。いつつ。「五穀五色五臓五輪
五番目。「五更
〈いつ〉「五日
[名のり]い・いず・かず・ゆき
難読五百いお五十鈴いすず五十いそ・いそじ五加うこぎ五月蠅うるさ五月さつき五月雨さみだれ七五三縄しめなわ五倍子ふし

いつ【五】

ご。いつつ。声を出して数えるときの語。「、む、なな、や」
ご。いつつ。名詞の上に付いて用いる。「文字」「柱」

い【五】

ご。いつつ。いつ。多く他の語の上に付いて複合語として用いられる。「いそ」「いお

ぐ【五】

丁半ばくちで、5の数をいう。
「―一、―六、―三と三ばいきってな」〈洒・卯地臭意〉

ウー【五】

《〈中国語〉》数のご。いつつ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「五」の意味・読み・例文・類語

いつ【五】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 五つ。名詞・助数詞の前に直接つけて用いる。「五棟(いつむね)」「五束」「五粒」
    1. [初出の実例]「あまざかるひなに伊都(イツ)とせすまひつつ都の手ぶり忘らえにけり」(出典:万葉集(8C後)五・八八〇)
  3. 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの五。いい。
    1. [初出の実例]「一(ひと)(ふた)(み)(よ)イツ六(むゆ)(なな)(や)(ここの)(たりや)」(出典:年中行事秘抄(12C末)鎮魂祭歌)
    2. 「皆(みんな)がお諷(うた)ひ。一二(ひとって)、三四(みいよ)、五六(イイツむ)七八(なんなやあ)には、九(こう)と一十(いちじゅ)ヤ」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)二)

ご【五・伍】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一の五倍の数。一〇の半分。片方の手の指の数。いつつ。
    1. [初出の実例]「一二の目のみにはあらず五(ご)六三四さへありけり双六の采(さえ)」(出典:万葉集(8C後)一六・三八二七)
    2. [その他の文献]〔書経‐武成〕
  3. 管楽器の穴の称。
    1. (イ) 横笛で干の次の穴。すなわち、第三番めの穴をいう。
      1. [初出の実例]「横笛〈略〉穴名干五上夕中六下口〈是者古説也〉」(出典:教訓抄(1233)八)
    2. (ロ) 篳篥(ひちりき)で、下から第一番め、上から第九番めの穴。
    3. (ハ) 神楽笛、狛笛で、第二番めの穴。

ウー【五】

  1. 〘 名詞 〙 「五」の中国音。ご。いつつ。薬種商、絵の具商などの取引や、拳(けん)の勝負などにも用いる。
    1. [初出の実例]「(チヘマ)(ウウ) 本町三丁目木ぐすり仲間唐人ふてう七匁五分といふ事」(出典:洒落本・京伝予誌(1790)豊後)

い【五】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「いつ(五)」の変化した語 ) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの五。多く「いそ(五十)」「いほ(五百)」などと熟して使われる。
    1. [初出の実例]「是の五(イ)(とり)は並びに其の人と為り強力(ちからつよ)くして」(出典:日本書紀(720)景行一二年一〇月(寛文版訓))

ぐ【五】

  1. 〘 名詞 〙 ばくちで、さいころの目の五の数をいう。
    1. [初出の実例]「大君夫者、高名博打(ばくうち)也。〈略〉語条尽詞。謀計究術。五四尚利目(なをりめ)、四三小切目」(出典:新猿楽記(1061‐65頃))

いい【五】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「い(五)」を延ばして発音した語 ) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの五。
    1. [初出の実例]「一ィ二ゥ三ィ四ォ 五(イ)ィ六ゥ七ァ 八日 九日 十日たち」(出典:童謡・お山の杉の子(1944)〈吉田テフ子・<著者>サトウハチロー〉)

ごし‐うんどう【五・四運動】

  1. 一九一九年五月四日、北京の学生たちのデモを契機として起こった中国の民族運動。第一次大戦中の日本の中国侵略や、これを許した軍閥政府に反対するため、各地でストライキや日本商品のボイコットが行なわれて、ついに政府に親日的要人の罷免と、ベルサイユ講和条約の調印拒否を約束させた。広義には、この運動を準備し推進した一九一七年以来の五・四文化革命(新文化運動)をさすことがある。

ごいちご‐じけん【五・一五事件】

  1. 昭和七年(一九三二)五月一五日、海軍の急進派青年将校が中心となり、クーデターを起こそうとした事件。大川周明らの資金援助と陸軍士官候補生などの参加によって、首相官邸、政友会本部、警視庁、内大臣牧野伸顕邸、日本銀行などを襲撃。犬養首相を射殺した。軍部はこれを利用して政党内閣制の廃止を迫り、軍部独裁への一歩を進めた。

ごん【五】

  1. 〘 名詞 〙 五合(ごんごう)を略したもので、酒についていう。
    1. [初出の実例]「角大(炭の銘)を抱て、劔菱(酒の銘)五(ゴン)(五合の事)といふ正月だ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三)

ごし‐ぶんかかくめい‥ブンクヮカクメイ【五・四文化革命】

  1. 一九一七年から二一年にかけて、中国で展開された文学、思想の改革運動。科学と民主主義を旗印として儒教的、封建的な文化を批判したが、その過程で一九一九年五月四日の反帝国主義、反封建主義、共産主義の運動(五・四運動)を導き出し、一九二一年の中国共産党結成を促す思想的な基盤をつくったといわれる。

ごさんじゅう‐じけんゴサンジフ‥【五・三十事件】

  1. 一九二五年、五月三〇日に始まった中国の反帝国主義的民族運動。上海の日系紡績工場における中国人労働者のストライキを発端として、中国人多数が射殺され、運動は学生、民衆にまで波及、翌年一〇月まで対英サボタージュが続けられた。この事件は中国全土に多大の影響を与え、支援の行動が相次いだ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「五」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

[字音]
[字訓] いつつ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 仮借
斜めに交錯する木を以て作られた器物の蓋(ふた)の形。数字の五に用いる。〔説文〕十四下に「五行なり。二に從ふ。陰陽、天地のに在りて午するなり」と陰陽の相交わる形とし、古文×をあげて、上下の線を略した形とする。卜文に×を用いることが多く、もと算木をその形において数を示したものであろう。卜文では一より四までは横画を重ね、五に至って交画とする。×の形を以ていえば一・二と同じく指示となるが、古くから五の形もあるので、器蓋の象とし、数に用いるのを仮借とする。文字の要素としては×は吾・(交)・學(学)などの中にも含まれるが、これらの字は、数としての五の義をとるものではない。

[訓義]
1. いつつ、数の五。
2. 五たびする、五倍とする。
3. 伍と通じ、なかま、一組。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕五 イツツ・トモ/五 イツツヲバ 〔字鏡集〕五 イツツ・トモガラ・トモ・ナガシ・ヨシ

[声系]
〔説文〕に五声として吾、また吾声の字十五字を収める。伍を〔説文〕八上に会意とするが、〔段注〕に亦声とする。斜めに交錯する木を以て(まも)るという本来の形義は、吾・のうちに残されている。

[語系]
五・伍ngaは同声。〔管子、小匡〕に「五人を伍と爲す」とあって、人の集体名に用いる。午・忤・ngaも同声。午は杵(きね)の形に組んだ木で、これも防禦に用い、禦()の初形は午の形に従い、午を拝する形の字である。

[熟語]
・五運・五雲・五音・五嶽・五岳・五官・五紀・五季・五旗・五虐・五教・五行・五玉・五禽・五刑・五経・五弦・五言・五胡・五湖・五・五五・五侯・五更・五穀・五采・五彩・五歳・五載・五綵・五・五罪・五山・五祀・五始・五指・五畤・五事・五車・五臭・五章・五情・五常・五色・五瑞・五声・五成・五性・五斉・五俎・五宗・五蔵・五族・五地・五雉・五虫・五徴・五鎮・五帝・五斗・五土・五等・五徳・五・五覇・五伯・五美・五・五風・五服・五辟・五畝・五卜・五味・五民・五門・五夜・五欲・五陵・五倫・五礼・五輅・五和
[下接語]
格五・九五・三五・参五・尺五・什五・数五・第五・鼎五・陽五

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android