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五臓六腑 ごぞうろっぷ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

五臓六腑
ごぞうろっぷ

五臓とは,心,脾,肺,腎の5つ,六腑とは大腸小腸,胆,胃,三焦膀胱の6つをいう。東洋医学内臓総称として用いられてきたが,今日の解剖学的知識とは必ずしも一致せず,また三焦が何をさしているのかも明確ではない。もともと陰陽五行説による自然哲学的な解釈によって,各内臓の関連や機能を説明したもの。文献としては,中国で最も古い医書『黄帝内経』がある。

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百科事典マイペディアの解説

五臓六腑【ごぞうろっぷ】

五蔵六府とも書く。東洋医学における内臓の総称。五臓は肝,心,脾(ひ),肺,腎,六腑は大腸,小腸,胆,胃,三焦,膀胱(ぼうこう)をさす。中国伝統医学では陰陽五行説により自然哲学的にその機能が解釈される。
→関連項目内臓

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世界大百科事典 第2版の解説

ごぞうろっぷ【五臓六腑 wǔ zàng liù fǔ】

先秦時代から存在している中国医学の重要な概念の一つで,古い文献では五蔵六府とされている。五臓とは心,肝,脾,肺,腎の5種の,六腑とは胆,胃,大腸,小腸,三焦,膀胱の6種の臓器の総称である。臓は精神,血気を貯蔵する充実した器官で,腑は水や穀物を消化し,体液を動かす中空の器官であるとしている。三焦が実在しないことと,脾があいまいなことを除くと,だいたい現在知られている同名の臓器に相当するが,その機能については現在の知識とはかなり違ったものが想定されていたから注意を要する。

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大辞林 第三版の解説

ごぞうろっぷ【五臓六腑】

五臓と、大腸・小腸・胆・胃・三焦・膀胱ぼうこうの六腑とをいう。はらわた。内臓。転じて、腹の中。心の中。 「 -にしみわたる」 「 -の煮えかえるような思いをした」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

五臓六腑
ごぞうろっぷ

漢方医学における人体の内臓器官の名称で、五臓は肝、心、脾(ひ)、肺、腎(じん)の五つ、六腑は胆(たん)、小腸、胃、大腸、膀胱(ぼうこう)、三焦(さんしょう)の六つをいう。なお、五臓に心包(しんぽう)を加え、六臓六腑とすることもある。臓は内部が充実している器官、腑は逆に空虚な器官の意である。昔は五蔵六府と書き、ともに倉庫の意であったという。古代中国の医書である『黄帝内経(こうていだいけい)』の「素問(そもん)」には、「五蔵は精気を蔵して瀉(しゃ)せず、満ちて実すること能(あた)わず、六府は化物(かぶつ)を伝えて蔵せず、実にして満つる能わざるなり。然(しか)る所以(ゆえん)のものは水穀が口に入れば胃が実して腸が虚し、食が下れば腸が実して胃が虚す。故に実して満たず、満ちて実せずという」とある。これは、「五臓は精気を内蔵しているが、それ以上に詰め込むことができない。六腑は飲食物を伝導するから充実するが、まもなく他に伝導して中空となり、臓器自体が充満しているということがない。これは、飲食物が口に入ると、まず胃がいっぱいになり、このときはまだ腸はからである。食物が下がると、腸が詰まって胃はからになる。だから腑は飲食物が詰まっても、隅々までいっぱいにならない」という意味である。
 五臓六腑を現代医学の臓器と比較して考えてみると、心、肝、肺、小腸、大腸、胆、胃、膀胱は現代医学と同じものをさしているが、腎と脾はかならずしも現代のそれと同一のものではない。腎は現代の腎臓、副腎、生殖器を総括した働きを表すことが多い。生殖器に対しても輸精管や精嚢(せいのう)、前立腺(ぜんりつせん)などに該当する文字の記載がない。これらのものは一括して腎のなかに包含されているためである。脾は消化液を分泌する器官、すなわち膵臓(すいぞう)、肝臓などの機能に対して命名したものと考えられ、また、胃と不即不離の関係にあるものとするのが至当である。三焦は広範な内容をもったもので、『傷寒論(しょうかんろん)』では上焦、中焦、下焦の三つを三焦とし、上焦はみぞおちより上方で、頭、手を含めている。中焦は上焦と下焦の中間であり、主として上腹部、下焦はへその下で足を含める部位となっている。三焦については、近代医学の内分泌系臓器の総称とするほか、リンパ管系統説、ホルモン説、酵素説、体腔(たいくう)膜説などがあるが、いずれにしても、これらを総括したものが三焦であるということができる。なお、『黄帝内経』のなかに三焦という臓器が記載されているが、これを現代の解剖学上の内臓器官と関連させるならば、膵臓にあてるのがもっとも妥当であろうと思われる。[矢数圭堂]

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世界大百科事典内の五臓六腑の言及

【内臓】より

…メスやピンセットなどを使って細かく解剖しなくても,簡単に取り出せるような臓器が古くから内臓と呼ばれてきた。漢方医学で五臓(心,肝,腎,肺,脾)六腑(胃,大腸,小腸,膀胱,胆,三焦)といわれたものが内臓である。ただし,六腑のなかで三焦がなにものをさすかは昔も今も不明である。…

※「五臓六腑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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