交通遺児(読み)コウツウイジ

デジタル大辞泉 「交通遺児」の意味・読み・例文・類語

こうつう‐いじ〔カウツウヰジ〕【交通遺児】

交通事故片親または両親を亡くした子供

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精選版 日本国語大辞典 「交通遺児」の意味・読み・例文・類語

こうつう‐いじカウツウヰジ【交通遺児】

  1. 〘 名詞 〙 交通事故で片親または両親を亡くした子ども
    1. [初出の実例]「偏向番組は作るなの、交通遺児の問題をやれだの、季節感をおりこめだの」(出典:鳩を撃つ(1970)〈五木寛之〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「交通遺児」の意味・わかりやすい解説

交通遺児 (こうつういじ)

交通事故によって親を失った児童。両親を失った場合はもとより,その多くは父親を失い,母子家庭として公的な援助を必要とする者が多い。1960年代以降の産業化社会の進展による交通事故の激増に伴い登場してきた社会的問題の一つといえる。もっとも多い道路交通事故にしても加害者による補償では補えず,生活保護を受けている母子家庭もあるが,今日まだ十分な公的施策がととのわず,民間の救済運動に依存している現状である。その大きなものに交通遺児育英運動があげられる。〈交通遺児をはげます会〉(1967年発足。71年全国協議会を結成)が運動の一環として実施しているもので,財団法人交通遺児育英会(1969年設立)が主体となって募金活動を行い,交通遺児のための進学育英資金を集めるとともに交通遺児とその家庭の実情を社会に訴え,その基本的な問題の所在を明らかにする役割を果たしている。交通遺児家庭を含めて,生別死別を問わず,母子家庭・父子家庭対策の一貫した施策の確立が望まれるところである。
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