デジタル大辞泉
「今は」の意味・読み・例文・類語
いま‐は【今は】
[連語]《「は」は係助詞》
1 こうなってしまった以上は。
「―たれもたれもえ憎み給はじ」〈源・桐壺〉
2 《「今は限り」の略》これが最後である。これが限度だ。→今際
「―とて天の羽衣着る折ぞ君をあはれと思ひ出でける」〈竹取〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
いま【今】 は
[一] (「今」に係助詞「は」の付いたもの)
① 現在は。今頃は。
※
書紀(720)神武即位前・
歌謡「伊莽波
(イマハ)よ 伊莽波
(イマハ)よ ああしやを 今だにも
吾子よ 今だにも吾子よ」
② こんな状態になった現在では、もはや。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「今は、なおぼし隔てそ。さるべきにてこそ、かく見奉り
初めぬらめ」
③ もう、そろそろ。おっつけ。
※
大和(947‐957頃)六五「かくて来たりけるを『いまは帰りね』と言ひやらひければ」
④ これからは。今後は。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「かくてのみを、いまは物し給へ」
※新
古今(1205)春下・一六八「木のもとの栖
(すみか)もいまはあれぬべし春し暮れなば誰かとひこん〈
行尊〉」
[二] (「今は限り」「今はよし」などの下の部分を省略した表現として)
※古今(905‐914)恋三・六三八「あけぬとて今はの心つくからになどいひしらぬおもひそふらむ〈
藤原国経〉」
② もうこれでよかろうということ。
※
古事記(712)下「故
(かれ)、人民富めりと為
(おも)ほして、今
(いま)は課
(みつぎ)役
(えだち)を科
(おほ)せたまひき」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報