今尾藩(読み)いまおはん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「今尾藩」の意味・わかりやすい解説

今尾藩
いまおはん

美濃(みの)国安八(あんぱち)郡今尾(岐阜県海津市平田町)に藩庁を置く小藩。近世初期一時市橋(いちはし)氏が領したが、1608年(慶長13)伯耆(ほうき)へ転封、廃絶。徳川家康の臣で2万石の竹腰正信(たけのこしまさのぶ)は、尾張(おわり)藩祖徳川義直(よしなお)に家老として付属、1622年(元和8)義直から1万石を受けて今尾を在所と定めた。幕末まで尾張家家臣であったため、藩とは称されない。1868年(慶応4)1月、正旧(まさもと)は朝廷により藩屏(はんぺい)に列せられ立藩、1万石を尾張藩へ返還。しかし財政難を理由に回復を請願し許された。管地は美濃加茂(かも)、武儀(むぎ)、安八、多芸(たき)、石津(いしづ)、および尾張愛知、春日井(かすがい)、丹羽(にわ)、葉栗(はぐり)、中島(なかしま)、海東(かいとう)、海西(かいさい)郡内。69年6月版籍奉還、71年今尾県から岐阜県となった。

[林 董一]

『『岐阜県史 通史編近世上・近代上』(1965~70・岐阜県)』『『平田町史』上下(1964・平田町)』

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デジタル大辞泉プラス 「今尾藩」の解説

今尾藩

美濃国、今尾(現:岐阜県海津市)を本拠地とした小藩。徳川義直の家老、竹腰正信が当地を在所としたのが起源。藩としての正式な独立は明治改元の直前で、ほどなく廃藩置県となった。

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