在所(読み)ザイショ

デジタル大辞泉 「在所」の意味・読み・例文・類語

ざい‐しょ【在所】

人が住んでいる所。また、物が存在する所。ありか。
郷里。くにもと。「生まれ在所
都会から離れた地方田舎。ざい。「在所住まい」
[類語](2故郷郷里ふるさと郷土田舎国もと郷党郷国郷関家郷故山生地生国生まれ故郷地元出生地出身地墳墓の地/(3田舎在郷ざいごう在地在方ざいかた近在田園ひな地方辺地辺境僻地へきち僻陬へきすう辺鄙奥地辺土ローカル片田舎鄙びる草深い

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精選版 日本国語大辞典 「在所」の意味・読み・例文・類語

ざい‐しょ【在所】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 住んでいる所。居る場所。すみか。ありか。住所。居所
    1. [初出の実例]「只今尋在所召已畢」(出典:明衡往来(11C中か)上本)
    2. 「其後はさいしょを焉(いづく)ともしりまゐらせざりつるに」(出典:高野本平家(13C前)一)
    3. [その他の文献]〔史記‐平準書〕
  3. ある物が存在する所。あり場所。所在。
    1. [初出の実例]「田畠の在所をよくしれる人也」(出典:名語記(1275)四)
  4. 都会を離れた地方。田舎。村里。ざいごう。ざい。
    1. [初出の実例]「彼在所にこもりゐて〈略〉ひとへに武芸をぞ稽古せられける」(出典:平治物語(1220頃か)上)
  5. 田舎にある実家。くにもと。ふるさと。郷里。故郷。
    1. [初出の実例]「大坂を離れ、女房の在所(サイショ)住吉の南遠里小野(をりをの)に身を隠し」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)一)
  6. 場所。ところ。
    1. [初出の実例]「而も馬の懸引たやすき在所なれば」(出典:太平記(14C後)一九)
  7. 江戸時代、大名政庁の所在地。または旗本や給人の知行所をいう。

在所の語誌

本来はの意。中世後期にはの意が生じる。「大坂繁花風土記」によれば、「田舎」の意の「在所」は京都では使わず大阪で用いられること、「近隣の田舎」という意味で「田舎」とは区別されたことなどが記されている。→「ざいごう(在郷)」の語誌

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普及版 字通 「在所」の読み・字形・画数・意味

【在所】ざいしよ

すみか。

字通「在」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の在所の言及

【所】より

…《山家集》の〈ところにきはふ〉,《太平記》の〈所の地頭強うして〉,さらに降って所質(国質・所質),所払の〈所〉もこれで,民俗語彙のトコログミも同じである。所は〈在所〉にも通じ,江戸時代以降,都を離れたいなかを意味するようになるが,さかのぼって《塵芥集》の〈在所〉は門・垣をめぐらし,竹木で囲まれた家・屋敷でアジール的機能をもつと解しうるので,中世の所についても,同様の性格を備える場合が少なからずあったと見てよかろう。【網野 善彦】。…

【村】より

…【木村 礎】
[〈むら〉と村]
 農山漁村における基礎的な地域社会としてのむらはその構成員である各家の維持存続に不可欠な共同組織であり,通常むら内の居住者は相互に面識関係がある。自分たちのむらのことをザイショ(在所)とかジゲ(地下)と呼ぶ地方もあり,また近代の行政用語でク(区)といったり,ブラク(部落)と称することも多い。むらは,《古事記》に〈伊幣牟良〉(いへむら)と出てくるように,もともと家々の集合の意味であった。…

※「在所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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