今泉浦(読み)いまいずみうら

日本歴史地名大系 「今泉浦」の解説

今泉浦
いまいずみうら

[現在地名]河野村今泉

越前海岸に臨み、東は山地を負い、海岸に沿って北は甲楽城かぶらき浦、南は河野浦。寛正六年(一四六五)六月二一日付馬借定書(西野家文書)に「いまいツミ」とみえる。中世は河野浦とともに浦馬借の住む一村。慶長一一年(一六〇六)頃の越前国絵図に「今泉浦 高川野入」とある。江戸時代は福井藩領で、正保郷帳によると田方五四石余・畠方一六石余。寛文七年(一六六七)八月二日付今泉浦高免諸役覚(西野家文書)によれば、家数七五(役馬家六一・無馬家一四)、人数四二一(男二〇六・女二一五)で諸役銀米として、口米一石につき三升ずつ、雪垣代銀三匁五分四厘、巳年の増銀五〇〇匁、ほかに肴役銀・室役銀・山手米・大網役・舟役米などが記される。

当浦の刀禰職であった西野家の文書は中世以降の海陸運送を知る史料として貴重。文明期(一四六九―八七)と思われる九月六日付朝倉光玖書状に「河野・今泉両浦船之事、毎日用事ある事候間可被除候」とみえ、課役免除されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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