仙巌園(読み)センガンエン

日本歴史地名大系 「仙巌園」の解説

仙巌園
せんがんえん

[現在地名]鹿児島市吉野町 磯

尚古集成しようこしゆうせい館の北隣にある。別名いそ庭園。万治年間(一六五八―六一)鹿児島藩主島津光久によって島津氏別邸として築かれた。当地は桜島に面し、姶良あいらカルデラ絶壁を後背地として奇岩奇石が多く、中国竜虎山の仙巌に似ているところから仙巌園と名付けられたという。その後島津吉貴の時に曲水の庭や孟宗竹林が設けられ、さらに嘉永元年(一八四八)島津斉興は海岸を埋立て造園を大規模に行い、現在のような回遊式庭園が完成された。この庭園の特色は磯山を背景に前面に鹿児島湾と桜島の自然を取入れた借景庭園であることにある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の仙巌園の言及

【鹿児島[市]】より

…史跡が多く,西南戦争の戦場となった城山周辺には石垣と堀だけ残る鶴丸城跡,1874年開校された私学校跡,西郷隆盛のこもった洞窟,その終焉(しゆうえん)の地などがある。市内北部には,島津家の別邸である仙巌園(磯公園),異人館(旧鹿児島紡績所技師館)などがある。市街地には昭和初めに発見された温泉がその後のボーリングによって数多く湧出し,旅館の内湯,共同浴場,ジャングル浴場などに利用されている。…

※「仙巌園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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