伊予国(愛媛県)で漉(す)かれた奉書紙。伊予国は古くから紙の産地として『延喜式(えんぎしき)』にも名を連ねている。天保(てんぽう)年間(1830~44)に、周桑(しゅうそう)郡国安村(現、西条(さいじょう)市国安)の篤農家田中佐平が土佐で製紙技術を習得したのち、帰村して奉書を漉いたのが始まりである。それが広まって、伊予奉書の名で有名になった。伊予柾紙(まさがみ)(柾目紙)とは同質で、浮世絵や扇の地紙などにも用いられた。コウゾ(楮)を原料とし、米の粉を混ぜて漉き上げるが、近年は木材パルプを使用することが多くなり、往年の和紙の風格が失われてきている。
[町田誠之]
菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...