但馬皇女(読み)たじまのひめみこ

改訂新版 世界大百科事典 「但馬皇女」の意味・わかりやすい解説

但馬皇女 (たじまのひめみこ)
生没年:?-708(和銅1)

万葉歌人。天武天皇皇女高市皇子(たけちのみこ),穂積皇子(ほづみのみこ)らの異母妹。持統朝に,高市皇子の宮にあって穂積皇子を思う〈秋の田の穂向きの寄れる片寄りに君に寄りなな言痛く(こちたく)ありとも〉以下3首が連続して《万葉集》巻二相聞に採録されており,いずれも穂積への激しい恋情吐露の歌である。穂積皇子は但馬皇女の没したとき墓をのぞみ悲傷して歌を詠んでいる。ほかに巻八に1首あるが,一書によれば子部王の作とされている。
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関連語 生子 青木

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「但馬皇女」の解説

但馬皇女 たじまのおうじょ

?-708 飛鳥(あすか)時代,天武天皇の皇女。
母は藤原氷上娘(ひかみのいらつめ)。異母兄高市(たけちの)皇子の宮にいたとき,異母兄穂積親王をおもってよんだ恋歌3首が「万葉集」にみえる。和銅元年6月25日死去。
格言など】人言(ひとごと)を繁み言痛(こちた)み己(おの)が世に未だ渡らぬ朝川渡る(「万葉集」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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