住吉津(読み)すみのえのつ

日本歴史地名大系 「住吉津」の解説

住吉津
すみのえのつ

住吉すみよし大社南方を西流する細江ほそえ(細井川)の旧河口部付近(現住吉区長峡町、住之江区安立一丁目・浜口東一―二丁目)にあった古代の港。「古事記」には、仁徳天皇のときに「墨江之津」を定めたという伝承を載せている。この港は、外交上の要港の一つであったらしく、「万葉集」巻一九にみえる「天平五年、入唐使に贈る歌一首」と題する長歌に「住吉の御津に船乗り」とあり(→住吉大社、多治比広成を大使とする第九次遣唐使が、住吉津から出航せんとしていることを示している(なお、「続日本紀」天平五年四月三日条には「難波津」から進発したとある)。また「日本書紀」によると、雄略天皇一二年四月四日に呉に派遣された身狭村主青らは、同一四年正月一三日に呉国使とともに住吉津に帰着している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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