20世紀日本人名事典 「佐々木哲蔵」の解説
佐々木 哲蔵
ササキ テツゾウ
- 生年
- 明治39(1906)年5月15日
- 没年
- 平成6(1994)年5月25日
- 出生地
- 宮城県塩釜市
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学法学部独法科〔昭和5年〕卒
- 経歴
- 裁判官として東京など各地の裁判所に勤務。昭和13年渡満して新京高等法院審判官となった。敗戦後ソ連に抑留2年半。23年11月大阪地裁に復職、刑事事件を担当。27年9月から吹田騒擾事件の裁判長として訴訟指揮。28年7月29日の第29回公判で朝鮮戦争休戦を喜ぶ被告が法廷で黙禱と拍手をしたが、これを制止しなかったため、職務違反として裁判官訴追委員会の調査を受けた。しかし審理中の事件で訴訟指揮を訴追事項とすることは裁判の独立を侵すものとして調査を拒否。32年退官後は弁護士となり、49年より狭山事件再審弁護団代表を務める。また八海事件、松川事件、砂川事件などの著名な冤罪事件にかかわった。著書に「裁判官論」。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報