裁判機関としての裁判所が合議制である場合に、その複数の裁判官のなかの一人で、その合議体を代表する者をいう。合議体を構成する裁判官で裁判長以外の者を陪席裁判官という。だれを裁判長にするかは、最高裁判所が毎年度、指名する。
裁判長は評議の整理について責任を有するが(裁判所法75条2項)、評決については他の陪席裁判官と同じ権限を有するにすぎない。裁判長の権限としては、合議体を代表してその発言機関として行うものと、合議体から独立して単独で行使できるものとがある。前者の例としては、口頭弁論の指揮(民事訴訟法148条以下)、証拠調べの主宰(同法202条以下)、判決の言渡し(民事訴訟規則155条)、訴訟指揮(刑事訴訟法294条、ただし、訴訟指揮であっても、刑事訴訟法276条1項・285条1項・297条3項など明文で裁判所が行うとしているものがある)などがある。後者の例としては、特別代理人の選任(民事訴訟法35条1項)、期日の指定(同法93条1項)、訴状審査・却下(同法137条)、急速を要する場合の被告人の召喚・勾引(こういん)・勾留の処分(刑事訴訟法69条)、公判期日の指定(同法273条1項)、被告人に対する退廷の許可等(同法288条)などがある。
[本間義信]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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[裁判官の職務執行]
裁判官は,裁判所という機関(訴訟法上の意味の裁判所)を構成して,事件の裁判を行うが,複数の裁判官で一つの裁判所(合議体)を構成する合議制と,1人の裁判官が単独で裁判所となる単独制とがある。ただし,判事補は,単独で裁判することは原則としてできず(例外は民事訴訟法123条,刑事訴訟法45条,少年法4条等),合議体の裁判長になることもできず,また,同時に2名以上が合議体に加わることもできない(裁判所法27条2項)。もっとも,当分の間,5年以上の経験のある判事補のうち,最高裁判所の指名する者は,以上の職権の制限を受けず,判事と同様の権限を与えられるものとされており,これを特例判事補という(〈判事補の職権の特例等に関する法律〉1条)。…
…ジャーナリストをへて,1913年に脚本家としてノルディスク社に入社。18年に《裁判長》で監督となる。つづいて,D.W.グリフィス監督の《イントレランス》(1916)の影響をうけ,四つの時代における人間の背信行為を描いた《サタンの日記の数頁》(1919)を撮る。…
※「裁判長」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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