日本大百科全書(ニッポニカ) 「体組成測定」の意味・わかりやすい解説
体組成測定
たいそせいそくてい
人体を構成する成分ごとの量とそのバランスなどを測定し、分析すること。年齢、性別、身長、体重、腹囲、腰回りの寸法をベースに、筋肉量、体脂肪量、体脂肪率、皮下脂肪レベル、内臓脂肪レベル、腹部脂肪レベル、体水分量、骨量、タンパク質量、基礎代謝量、1日に必要なカロリー量、適正体重、内臓脂肪と皮下脂肪の比率(VSR:Visceral fat to Subcutaneous fat Ratio)、BMI(体格指数)、むくみレベル(細胞外液比)などを算出。その結果に基づき、体組成分析、筋肉と体脂肪のバランス、部位別体組成とバランス、体型評価、腹部肥満分析などを行い、客観的な適正値と比較することで、体の状態を把握する。また、要摂取栄養分、筋肉と脂肪の状態やバランス、適した運動方法などを分析結果から割り出し、継続的な測定を通して健康管理に役だてることができる。
測定器は体組成測定器や体組成計とよばれ、家庭用からさまざまな分析のできる業務用まである。測定には、手や足などに接触させた電極から人体に微弱な交流電流を流して測定する生体電気インピーダンス法Bioelectrical Impedance Analysis(BIA法)が用いられる。これは除脂肪(筋肉)で電流の伝導性が高く、体脂肪で低くなるという特性を利用する方法で、人体の膨大な基礎データから得られた推定式に測定値を当てはめることで、脂肪以外の組織や成分が算出される。ただし、起床時や就寝前、低脂肪状態など、体の状態に応じて誤差が生じやすいため、メーカーごとに誤差を補うアルゴリズムが研究されている。体組成の測定結果をスマートフォンに転送し、健康管理アプリで測定値を管理、分析する家庭用体組成計も人気を集めている。
[編集部]