何為(読み)なにしに

精選版 日本国語大辞典 「何為」の意味・読み・例文・類語

なに‐しに【何為】

  1. 〘 副詞 〙 ( 代名詞「なに」に動詞「する」の連用形「し」、格助詞「に」の付いてできたもの ) 原因動機を不明なものとして指示する。どうして(…なのか)。なぜ、なんのために(…するのか)。
    1. [初出の実例]「何しにかなしきに見送奉らん」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「外のお人と夫婦になるくらゐならば、何故(ナニシ)鎌倉まで行ますものか」(出典人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)初)

なに‐すれぞ【何為】

  1. 〘 副詞 〙 ( 代名詞「なに」に動詞「する」の已然形「すれ」、係助詞「ぞ」が付いてできたもの ) 理由・原因を不明のものとして指示する。どういうわけで(…するのか)。なぜ(…するのか)。
    1. [初出の実例]「時々の花は咲けども奈爾須礼曾(ナニスレソ)母とふ花の咲き出来ずけむ」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三二三)

な‐すれぞ【何為】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「なにすれぞ」が変化した「なんすれぞ」の「ん」の無表記。漢文訓読に用いられる ) どうして。何故に。
    1. [初出の実例]「何為(ナスレソ)長劫短時と為ること能はざらむや」(出典:法華義疏長保四年点(1002)二)

なん‐すれぞ【何為】

  1. 〘 副詞 〙 「なにすれぞ(何為)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「何用(ナンスレソ)蓮花を観じて余花を観ぜぬや」(出典:大日経義釈延久承保点(1074)九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「何為」の読み・字形・画数・意味

【何為】なんすれぞ

どうして。なぜ。〔顔氏家訓帰心〕江河百谷、何れの處より生ずる。東してに到る。何爲れぞれざる。

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