俄狂言(読み)ニワカキョウゲン

デジタル大辞泉 「俄狂言」の意味・読み・例文・類語

にわか‐きょうげん〔にはかキヤウゲン〕【×俄狂言】

素人が、宴席街頭即興に演じたこっけいな寸劇江戸中期から明治にかけて流行座敷で行う座敷俄、屋外で行う流し俄などがあり、大阪俄・博多俄などが有名。のちに職業として、寄席で、道具・鳴り物入りで行うようになった。にわか。

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精選版 日本国語大辞典 「俄狂言」の意味・読み・例文・類語

にわか‐きょうげんにはかキャウゲン【俄狂言】

  1. 〘 名詞 〙 座敷や街頭などで行なわれた即興的で滑稽な寸劇。享保年間(一七一六‐三六)、大坂住吉神社の夏祭の行列で、素人が行なった即興の寸劇を起源とするという。後には京都でも行なわれ、江戸の吉原俄などもあるが、大坂でもっとも盛んに行なわれた。寛政年間(一七八九‐一八〇一)頃からは専門の俄師が現われ、また、寄席などでも興行され、江戸末期から明治初年に全盛期を迎えたが、明治三〇年(一八九七)代にはいって急速に衰退した。にわか。
    1. [初出の実例]「年わすれに、思ひつきの俄狂言(ニハカキャウゲン)忠臣蔵がよかろふと」(出典咄本・無事志有意(1798)俄)

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