俎板の鯉(読み)マナイタノコイ

デジタル大辞泉 「俎板の鯉」の意味・読み・例文・類語

俎板まないたこい

俎板の上の、料理されるのを待つ鯉の意から》相手意向運命にまかせるよりほか方法のない状態のたとえ。俎板のうお俎上そじょううお
[類語]俎上そじょうの魚薬缶やかんでたたこのよう手も足も出ない

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精選版 日本国語大辞典 「俎板の鯉」の意味・読み・例文・類語

まないた【俎板】 の=鯉(こい)[=魚(うお)

  1. ( 俎板の上の、料理されようとしている鯉(魚)の意から ) 相手のなすがままになるよりほかにどうしようもない状態。死を待つよりほかに方法のない運命のたとえ。俎上(そじょう)の魚。
    1. [初出の実例]「わいらふたりはまな板の魚、焼いてくはふが煮てくはふが」(出典:浄瑠璃・花衣いろは縁起(1742)四)

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ことわざを知る辞典 「俎板の鯉」の解説

俎板の鯉

相手のなすがままで、自らの運命を自分ではどうすることもできないさまのたとえ。また、死を覚悟して、どうにでもしてくれと開き直るさま。

[使用例] どこかそこにクソ度胸ができた。何か精神的な安定というか、強さというか、あきらめというか、つまりマナイタに乗ったコイみたいに、勝手に料理してくれという気持ちになった[松下幸之助*仕事の夢・暮しの夢|1960]

[解説] 料理されようとしている鯉(魚)の意から。鯉は、水から揚げられても勢いよくはねまわりますが、料理人の手でいったん俎板に載せられると、もはやかなわぬものと観念してじっとしているといいます。古くは「魚」とするものが多く、ほかに「蛸」の例もありました。

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