保存行為(読み)ホゾンコウイ

デジタル大辞泉 「保存行為」の意味・読み・例文・類語

ほぞん‐こうい〔‐カウヰ〕【保存行為】

管理行為の一。財産価値現状のまま維持する行為家屋修繕など。

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精選版 日本国語大辞典 「保存行為」の意味・読み・例文・類語

ほぞん‐こうい‥カウヰ【保存行為】

  1. 〘 名詞 〙 管理行為の一種。財産の価値を現状のまま維持する行為。家屋の修繕など。〔民法(明治二九年)(1896)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「保存行為」の意味・わかりやすい解説

保存行為 (ほぞんこうい)

他人の財産の現状を維持するための行為。建物の修繕のような物理的な現状維持だけではなく,弁済期の到来した借金弁済のような経済的な現状維持もこれに該当する。これが意義を有するのは,他人の財産を管理する立場にある者のなしうる行為の範囲(管理行為)を限定する場合である。たとえば,不在者財産管理人(民法25条),権限の定めのない代理人(103条),相続財産の管理人(953条)について問題となる。保存行為は現状維持にとどまり,不在者,本人,相続人等に対して不利益をもたらすものではないので,原則として管理人等は自己の判断で実行することができる。これに反して,財産を売却してしまう行為(処分行為),あるいは建物を改築する行為(改良行為)などについては,管理人等は家庭裁判所の許可を得て初めて実行することができる。
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世界大百科事典(旧版)内の保存行為の言及

【管理行為】より

…管理行為には次のようなものがある。(1)保存行為 物の修理,弁済期限の到来した債務の弁済など,財産の現状を維持する行為。(2)利用行為 物の賃貸,現金を銀行預金にするなど,物または権利の性質を変えない範囲で使用・収益をはかる行為。…

※「保存行為」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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