百科事典マイペディア 「倉見荘」の意味・わかりやすい解説
倉見荘【くらみのしょう】
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若狭国(福井県)三方(みかた)郡の荘園。現若狭町の旧三方町南部,鰣(はす)川上流域の倉見から横渡・井崎・黒田・田上にかけての地域と,御賀尾浦(旧三方町神子(みこ))など浦若干を含む。1296年(永仁4)の実検田目録には除田・定田ならびに〈加野新田〉合わせて100町歩余を記載する(大音文書)。立荘時期・成立事情は明らかでないが,1235年(嘉禎1)12月15日の延暦寺政所下文(写)に引く同荘雑掌の解(げ)(上申書)には,新日吉(いまひえ)社領として油役を勤仕すること数十年と述べている(同文書)。1265年(文永2)の若狭国大田文(写)では,ほかに天台常寿院領もあったことが判明し(東寺文書),さらに鎌倉末期には信州諏訪下社に贄(にえ)の魚を送進している(大音文書)。室町初期には黒田・小野・加屋の3名(みよう)が鹿王院領となっており(鹿王院文書),同時期の1413年(応永20)には,将軍足利義持が安禅寺領太郎丸・五郎丸両名ならびに脇山名を除く部分を等持院に寄付しているから(等持院常住記録),当時の荘内にはいくつかの社寺領が混在したと見られる。荘名の最終所見は1517年(永正14)2月18日の諏訪神社々殿所役注文案(大音文書)。
執筆者:須磨 千穎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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