日本大百科全書(ニッポニカ) 「僧形八幡神像」の意味・わかりやすい解説
僧形八幡神像
そうぎょうはちまんしんぞう
僧侶(そうりょ)の姿形をもって表された八幡神の像。神仏混淆(こんこう)、本地垂迹(ほんじすいじゃく)説により、八幡神が八幡大菩薩(ぼさつ)とされた結果である。彫像に多く、図像でも描かれている。その最古の遺品は京都・東寺蔵のもの、それに次ぐのが奈良・薬師寺の休(やすみ)が岡八幡社の像であり、鎌倉時代の名工快慶作の奈良・東大寺手向山(たむけやま)八幡社の像(以上いずれも国宝)も有名である。普通、女神二体を従えた三体像につくられるが、これは八幡神が応神(おうじん)天皇に擬されたことにより、二女神も大帯比売(おおたらしひめ)(神功(じんぐう)皇后)、比売神(妃である仲津(なかつ)姫)とされたことによる。
[佐藤昭夫]