改訂新版 世界大百科事典 「元和姓纂」の意味・わかりやすい解説 元和姓纂 (げんなせいさん)Yuán hé xìng zuǎn 中国で古来の姓氏について記した書物。唐の林宝撰。10巻。唐の憲宗の元和年間(806-820),辺将に封爵を加える際,姓氏本籍などの認定に誤りがあったことがきっかけで,姓氏の源をさぐり,正確な姓氏番付を作ろうとして編纂された。皇族の李氏を最初において,それ以外は四声の韻の順序により,同じ韻の場合は大姓を首においている。宋代に散逸し,現行本は復元されたものである。執筆者:礪波 護 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「元和姓纂」の意味・わかりやすい解説 元和姓纂げんなせいざん 中国、唐朝憲宗の元和年間(806~820)に、宰相李吉甫(りきつほ)や太常博士林宝らの編纂(へんさん)した氏族書。10巻。812年に成る。皇室李(り)氏を筆頭に、以下韻順に諸姓を配列し、姓の源、系譜、著名人を広く掲げており、南北朝から中唐にかけての官人の系図集として貴重な資料。『新唐書宰相世系表』は本書に多くを依拠している。現行本は『永楽大典』から抽出し復原した不完全なもので、他の逸文を補った岑仲勉(しんちゅうべん)らの研究がある。[池田 温] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「元和姓纂」の意味・わかりやすい解説 元和姓纂げんなせいさんYuan-he xing-zuan; Yüan-ho hsing-tsuan 中国,唐の憲宗の命により,宰相李吉甫や太常博士林宝らが編纂した系譜集。元和7 (812) 年完成,10巻。皇族李氏を筆頭に以下姓の韻順に配列する。姓源,郡望,貴族の系譜を広く集め,六朝時代から唐中期の官人の系図に関する重要な資料。『新唐書』宰相世系表は本書に依拠したところが多い。現行本は『永楽大典』から集録されたもので,散逸部分が少くない。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by