先付(さきづけ)小切手ともいう。実際の振出日(たとえば6月4日)よりも先の日付(たとえば6月30日)を振出日として記載した小切手のこと。もともと小切手は支払手段であり一覧払いが原則であるから、先日付小切手は変則的なものである。実際上は、振出人が自己の資金繰り上の都合から、取引の相手方に先日付小切手を渡すことになる。したがって、この場合、小切手を支払手段としてよりも手形にかわる信用手段として利用しているわけである(また、手形発行の際に必要な印紙税を節約しようとして利用することもある)。資金繰りに余裕がないためにこれを振り出すことが多いから不渡りの危険性もあり、振出人、受取人とも先日付小切手の取扱いには注意が必要である。振出人は受取人に対し、小切手上の記載振出日に呈示するように了解を取り付けて発行するのが普通だが、その日以前であっても呈示されたら支払われることになっている(小切手法28条2項)。
[井上 裕]
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… 小切手はすべて一覧払であり,所持人は直ちにその支払を求めることができる。実際の振出日よりも将来の日を振出日として記載した先日付小切手の場合でも同様である。所持人は法定の呈示期間(国内小切手の場合は振出日から10日。…
※「先日付小切手」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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