光悦本(読み)こうえつぼん

大辞林 第三版の解説

こうえつぼん【光悦本】

嵯峨本さがぼんのうち、版下が光悦自筆あるいは光悦の弟子の手になるものの称。

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精選版 日本国語大辞典の解説

こうえつ‐ぼん クヮウエツ‥【光悦本】

〘名〙
① 広義には、慶長(一五九六‐一六一五)から元和(一六一五‐二四)の初めにかけて京都の嵯峨で板行された嵯峨本の別称。本阿彌光悦および門下生が角倉素庵(すみのくらそあん)の協力を得て板行した美術的出版物。木活字本、または整版本で多くは用紙に雲母(きらら)を引き、または雲母模様を刷り込み、絵を入れ、用紙、装本に善美を尽くす。「伊勢物語」「方丈記」「徒然草」「観世流謡本」など一三点を数える。角倉本。
② 狭義には、嵯峨本のうち、光悦がみずから版下を書き、装本に意匠をこらしたものをいう。これに版下の書風、装丁に十分光悦の影響が認められるものを加えることがある。

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世界大百科事典内の光悦本の言及

【謡本】より

…宗が書写または出版した謡本は〈車屋本(くるまやぼん)〉と呼ばれる。1605‐15年には当時の謡の主流であった観世流の謡本がつぎつぎに出版され,特に桃山文化の逸品とされる豪華な〈光悦本〉(嵯峨本。100冊100番で一揃い)が著名。…

【嵯峨本】より

…江戸時代の初め,慶長13年(1608)から元和年間(1615‐24)にかけ,洛西(京都西部)嵯峨の素封家角倉(すみのくら)素庵(光昌)が,寛永の三筆の一人本阿弥(ほんあみ)光悦の協力をうけて版行した私刊本の総称。開版者の名を冠して〈角倉本〉ともいい,版下が光悦の自筆またはその門流の手になるところから〈光悦本〉とも呼ぶ。まれには木版整版刷のものもあるが,大部分はひらがな交りの木活字本(古活字版)で,版式および装丁において,ほとんどその類を見ぬ特徴を有した。…

※「光悦本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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