20世紀日本人名事典 「児玉充次郎」の解説
児玉 充次郎
コダマ ジュウジロウ
明治〜昭和期の牧師 粉河教会牧師。
- 生年
- 明治11(1878)年11月14日
- 没年
- 昭和36(1961)年10月30日
- 出生地
- 和歌山県那賀郡粉河町
- 別名
- 号=怪骨,不思議庵
- 学歴〔年〕
- 明治学院神学部〔明治40年〕卒
- 経歴
- 衆院議員も務めた民権運動家の児玉仲児の次男。はじめ、父や兄の勧めで同志社に学ぶが、キリスト教的教育に反発して間もなく放校処分を受ける。明治32年に徴兵されるが、そこで軍隊の在り方に疑問を抱き、非戦論を展開していたキリスト教徒・内村鑑三に共鳴。34年軍を除隊して「和歌山実業新聞」に入り、盛んに非戦論を唱えた。この頃から社会主義やキリスト教に急接近し、社会主義者・沖野岩三郎や杉山元治郎らと親交。次いで37年には洗礼を受け、明治学院に入って神学を学んだ。同校を卒業後は牧師となり、郷里和歌山県粉河に粉河協会を設立。伝道の傍ら、父とともに社会主義の宣揚に努めるが、大逆事件後はその被告の一人である医師・大石誠之介に関係したとして一時警察の監視下に置かれた。その後は、廃娼や同和問題にも関心を持ち、幅広く運動を展開した。著書に「ヘール師物語」「予は如何にして信仰に入りしか」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報