…この当時,国家の対外政策の目的とは,国王の版図の拡大であり,国王の財源の増大であり,国王の栄光の発揮であった。外交官はこの目的の実現に奉仕すべき臣下であり,全権大使とは他国にあって国王を代理して交渉の任にあたるものとされたのである。〈宮廷外交〉の時代には,秘密外交方式は当然のこととされ,他国の国情のスパイから,宮廷内の反対派を籠絡(ろうらく)する陰謀工作や,軍事力の威嚇を用いる一方,賄賂や地位で誘う〈ムチとアメ〉の策略が使われるなど,多様な外交戦術が駆使された。…
※「全権大使」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」