デジタル大辞泉 「全知全能」の意味・読み・例文・類語 ぜんち‐ぜんのう【全知全能】 すべてを理解し、どんなことでも行える能力。「全知全能の神」[類語]全能・万能 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「全知全能」の意味・読み・例文・類語 ぜんち‐ぜんのう【全知全能】 〘 名詞 〙 完全で、欠けるところのない知能。すべてのことを理解し、あらゆることを行なうことのできる神の能力。[初出の実例]「全智全能、至善至良の人にして当に可なり」(出典:代議政体(1875‐79)〈永峰秀樹訳〉三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
四字熟語を知る辞典 「全知全能」の解説 全知全能 完全で、欠けるところのない知恵と能力。すべてのことを理解し、あらゆることを行うことのできる能力。 [使用例] 最新医学の全知全能をもってしても、神父の命脈は、あと三時間、いや数時間でございましょう[加賀乙彦*フランドルの冬|1967] [使用例] この死神は決して全知全能ではなく、どういう基準によってどういう方針で死すべき人間が選ばれているのかは、彼にはわからないし、人間の世界に関しても彼にはわからないことだらけだ[伊坂幸太郎*死神の精度|2005] [使用例] 私は時折、考えることがありました。神は全知全能です。神に不可能はありません。すると神は、自殺することが出来るのか、と[平野啓一郎*空白を満たしなさい|2012] [解説] 中国語でも日本語でも、近代になってから例が現れることばです。もとは西洋の神についての形容で、それを翻訳してできたものと考えられます。 「全知全能」は「完全な知恵、完全な能力」と言い換えられます。神でなければ持つことのできない知恵と能力です。 ところが、遅くとも一九五〇年代には「持っている知恵と能力のすべて」の意味でも使うようになりました。「全知全能を傾ける」(=すべての知恵と能力を注ぎ込む)などと使います。 例文の[フランドルの冬]にも新しい使い方が見られます。「最新医学の全知全能」とは「最新医学の持つすべての知恵と能力」という意味です。 新しい言い方は批判されがちです。ただ、「全」の漢字には「完全な」という意味以外に「すべての」という意味もあり、理屈は通っています。「全知全能」がどちらの意味で使われているかは、文脈によって判断するのが妥当です。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報