八坂社(読み)やさかしや

日本歴史地名大系 「八坂社」の解説

八坂社
やさかしや

[現在地名]国東町富来

中村なかむら鎮座する。旧郷社。祭神は素戔嗚尊ほか二三柱。天徳三年(九五九)常陸石井いしい大明神(現茨城県笠間市か)の禰宜鎌田政弘が播磨国広峯ひろみね(現兵庫県姫路市)に参籠したところ神託があり、それに従い西海に向けて舟を浮べると富来とみく浦に着き、村人の迎えるところとなり、社殿を造営したという。例年冬祭の一一月一日には御衣替の行事があり、神職社役が政弘が流れ着いたという三つ石の海岸で禊を行う。


八坂社
やさかしや

[現在地名]猿島町生子

生子おいご集落南部、中生子坪に鎮座。もとは北生子の溜井ためいにあったが、明治三五年(一九〇二)現在地に遷座。祭神は須佐男命。往古疫病が流行したとき村民が奉斎し、生子村全体の鎮守として祭祀を行い、病難を除いたと伝える。

例年六月一五日に神輿出御、二一日が宵祭、二二日が例祭で、氏子七坪中の当番坪のみに神幸。祭礼・神輿渡御に供奉する神賑行事として「猿島ばやし」が創建当初から伝わり、比較的変形をしていないものと評価され、県指定無形民俗文化財になっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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