八塔寺(読み)はつとうじ

日本歴史地名大系 「八塔寺」の解説

八塔寺
はつとうじ

[現在地名]吉永町加賀美

八塔寺山の南麓にある。天台宗に属し、山号は照鏡山、本尊は十一面観音。寺伝および寺蔵文書によると、奈良時代に聖武天皇の勅願により道鏡が創建したと伝える。当初寺地は美作備前播磨の国境に位置した。平家討滅後、源頼朝の祈願所とされ、元暦元年(一一八四)六月日の梶原景時奉書(写、寺蔵)で「八塔寺者清浄結界地」として寺中より四方一里を認められた。以後浦上氏や宇喜多氏に至る戦国期末まで当寺周辺は清浄の地として、乱暴狼藉・守護使不入はもとより狩や伐木などをも禁止する制札が度々下されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の八塔寺の言及

【吉永[町]】より

…吉井川の支流金剛川中流域に位置し,東は兵庫県に接する。吉備高原の一角を占め,南部を西流する金剛川と中央部を南流する八塔寺(はつとうじ)川の合流点付近に中心集落の吉永があり,金剛川に沿って山陽本線が通じる。耕地に乏しく第2次産業の従事者が多い。…

※「八塔寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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