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公認会計士法の改正 こうにんかいけいしほうのかいせいrevision of certified public accountant law

知恵蔵の解説

公認会計士法の改正

企業の粉飾会計や不明朗な経理処理が相次いだのを受けて、政府は1948年制定の公認会計士法の大がかりな見直しに踏み切った。改正法では、監査法人の責任を見直して課徴金制度を新設。粉飾を重大な過失で見逃した場合は監査報酬の全額、故意ならその1.5倍の納付を金融庁が命じる。また、監査法人が経営者とのなれ合いを断ち、独立性を高めるために、「独立した立場で業務を行わなければならない」との規定を設け、大手監査法人が上場会社の監査を担当する「主任会計士」の交代制を継続7年・禁止2年から5年・5年に厳格化した。会計士の再就職を禁じる範囲を現行の監査先企業だけでなく、そのグループ企業にまで拡大した。さらに、監査の質を管理する体制の強化策を義務付けた。2008年4月に施行予定だ。公認会計士法はまず1966年に改正され、5人以上の公認会計士が法人をつくり、監査証明に共同で当たる監査法人制度が創設された。組織力で企業に対する立場を強め、監査の質を高める狙いだった。2003年にも、企業とのなれ合いを防ぐために監査法人内での交代制などが導入された。しかし、企業側に都合のいい監査を要求されるケースは後を絶たず、カネボウ、ライブドアなど公認会計士が深く関与した粉飾決算事件が次々と表面化し、法改正の機運が高まった。06年5月、カネボウを監査していた中央青山監査法人は金融庁から2カ月の業務停止命令を受け、同年9月にみすず監査法人に名称変更して出直しを図ったものの、日興コーディアルグループ、三洋電機と、監査先の大企業の不正決算が発覚。07年7月に解散に追い込まれた。日本の公認会計士は約2万3000人。米国(33万5000人)や英国(32万6000人)に比べて少なく、会計士の育成も急務となっている。

(織田一 朝日新聞記者 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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