共和政(読み)きょうわせい(英語表記)republic (イギリス)

山川 世界史小辞典 改訂新版 「共和政」の解説

共和政(制)(きょうわせい)
republic

英語の原語「リパブリク」はラテン語の「公共のもの」から派生したもので,同系統の語が古代ギリシア・ローマ以降,広く「国家」の意味で用いられた。古代ローマならびに中世のヨーロッパ都市国家においては,元首がいない政治体制をさして共和政と呼んだが,18世紀後半のアメリカの独立フランス革命によって,国民主権の上に立って直接・間接に国家元首を選ぶ政体を明確に意味するようになり,君主政反対概念としての位置を得た。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「共和政」の解説

共和政 (制)
きょうわせい
republic (イギリス)
Republik (ドイツ)
république (フランス)

国家の主権世襲君主にではなく,多数の人間に属している政治体制
君主政に対立する概念。「公の事」を意味するラテン語のレス−プブリカ(res publica)に由来し,中世末から19世紀に至るまで,君主の専制支配に対抗する原理として機能した。特にフランス革命以後は一般に主権は人民にあり,人民は選挙によって代表者(元首)を選び,その代表者が人民の意思を実現するための政治を行うという国家体制をさすようになったが,今日では,単に君主政の不存在というだけにとどまり,必ずしも共和政イコール民主政ではない。

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