具志頭村(読み)ぐしちやんむら

日本歴史地名大系 「具志頭村」の解説

具志頭村
ぐしちやんむら

[現在地名]具志頭村具志頭ぐしちやん大頓おおとん

具志頭ぐしちやん間切の中央部に位置する。北西東風平くちんだ間切富盛とうむい(現東風平町)、南はメーヌヤマとよばれる石灰岩段丘が海岸線に沿って稜線をなし、太平洋に面する。北西から南東にかけて白水しらみず川が蛇行し、同川に架かる天然岩橋は自然橋とよばれ名勝として知られる。メーヌヤマの東端にある具志頭ぐしちやんグスクは一四世紀の築城といわれる。ほかに花城親方阿擢辛の墓がある。

「おもろさうし」巻一四の六七に「一 きこゑくしかみや(有名な具志頭は)/よりたちちよ くにのね(寄り立ち〔高倉〕ぞ国の根)/みき かはし おや国(神酒の香ばしい御国)/又 とよむくしかみや(鳴響む具志頭は)」とある。神酒の香ばしい国というのは豊かな国をいう。「よりたち」もこれにつながる表現である。「具志頭村史」は「よりたち」を字具志頭白水川の田地の東方台地上にあった俗にユッタチジョウ原と称する所を跡地とする。


具志頭村
ぐしかみそん

面積:一二・一一平方キロ

沖縄島南部の南東海岸に位置し、西は糸満市と東風平こちんだ町、北は大里おおざと村、東は雄樋ゆーひ川を隔てて玉城たまぐすく村、南は太平洋に臨む。地質は南側が琉球石灰岩で、中央部から北側にかけて島尻泥岩層が広がっている。雄樋川河口付近には琉球石灰岩の一種である粟石石灰岩層が分布する。北側はジャーガル土壌が広がり肥沃な耕作地となっている。南北に走る国道五〇七号と海岸線を走る国道三三一号が交差する近辺に役場・郵便局・学校などの公共施設が集中している。旧石器時代の人骨(港川人)の発見で知られる港川みなとがわ遺跡がある。古琉球以来具志頭ぐしちやん間切に所属。明治一二年(一八七九)沖縄県島尻地方、一八九六年島尻郡に所属。一九〇八年の沖縄県及島嶼町村制施行によって具志頭ぐしちやん村が成立、五四年(昭和二九年)村議会議決により読みを「ぐしかみ」に変更し現在に至る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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