日本歴史地名大系 「東風平町」の解説 東風平町こちんだちよう 沖縄県:沖縄島南部東風平町面積:一四・七九平方キロ沖縄島南部の中央部を占める。東は大里(おおざと)村、北西は豊見城(とみぐすく)市、西は糸満市、南は具志頭(ぐしかみ)村、北は南風原(はえばる)町と隣接しており、海にまったく面していない町村の一。八重瀬(えーじ)岳(一六三メートル)一帯が急な段丘を形成し、全体的には小起伏の丘陵が点在する平野となっている。国道五〇七号が東部を南北に通り、主要地方道糸満―与那原(よなばる)線、県道五二号線が東西に走るなど、広域幹線を軸とした交通の要所でもある。南部は八重瀬岳に続く琉球石灰岩の台地で、急斜面を北方に向け、緩やかな斜面を南方に向けている。東風平(こちんだ)を中心とする丘陵地帯は大越地(うふくいーじ)に連なる波浪状の起伏で、西部は桑木福(くわぎふく)森と赤石(あかし)森へ連続する。北部には押上森(ウシヌヂノムイ)と宜次(ぎし)森が起伏している。南部と東部の平地には報得(むくえ)川(近世はムクイリ)、東部と北部の間の平地を饒波(のは)川(近世はヌファ)、北部には長堂(ながどう)川(近世はナガドー)が南風原町との境界を流れて、その下流は国場(こくば)川となる。これら中・北部一帯は地質的に第三紀島尻層群の泥岩の風化によるジャーガル土壌地帯となっており、肥沃で保水性に富み、農業地として恵まれた地域である。古琉球以来東風平(くちんだ)間切に属した。明治一二年(一八七九)沖縄県の管轄下となり、東風平に島尻地方役所が設置され、一時は一五間切の政治の中心地となった。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by