日本大百科全書(ニッポニカ) 「東風平」の意味・わかりやすい解説
東風平
こちんだ
沖縄県島尻(しまじり)郡にあった旧町名(東風平町(ちょう))。現在は八重瀬町(やえせちょう)の北西部を占める。旧東風平町は1979年(昭和54)町制施行。方音クチンダ。2006年(平成18)具志頭村(ぐしかみそん)と合併し八重瀬町となった。旧町域は沖縄本島南部の内陸にあり、南端に八重瀬岳(163メートル)があるほかは平坦(へいたん)地。地域の大部分はジャーガルとよばれる肥沃(ひよく)土壌で、第二次世界大戦前、戦後とも純農村である。戦前、島尻郡役所の所在地。かつては水田が広がっていたが、現在はサトウキビのほか露地野菜栽培、酪農が盛んである。国道507号線が通じ、那覇市に近いことから住宅地化が進行している。沖縄自由民権運動の父謝花昇(じゃはなのぼる)の出身地で、銅像があるほか、歴史民俗資料館にその関連資料が展示されている。
[堂前亮平]
『『東風平村史』(1976・東風平村)』