兼日(読み)ケンジツ

デジタル大辞泉 「兼日」の意味・読み・例文・類語

けん‐じつ【兼日】

《「兼ねての日」を音読みにした語》
きまった期日より前の日。また、それ以前の時。
「―ヨリ申スコトデゴザル」〈日葡
《「兼日題」の略》歌会句会などで、あらかじめ出しておく題。また、その題で作っておく歌や句。兼題。⇔当座

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精選版 日本国語大辞典 「兼日」の意味・読み・例文・類語

けん‐じつ【兼日】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かねてのひ」の「兼日」の音読 )
  2. かねての日。また、あらかじめ。日頃。
    1. [初出の実例]「又兼日或仰陰陽寮神祇官等、可令候」(出典左経記‐長和五年(1016)四月一五日)
    2. 「是は折節の仕形・物言にて顕るるもの也。〈略〉兼日にて人が知るものなり」(出典:葉隠(1716頃)一)
    3. [その他の文献]〔論衡‐感虚〕
  3. 歌会の行なわれる前にあらかじめ題が出され、歌会以前に歌をよみ用意しておくこと。また、その歌会。⇔当座(とうざ)
    1. [初出の実例]「兼日の会には、皆歌を懐中にして」(出典:無名抄(1211頃))

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「兼日」の解説

兼日
けんじつ

あらかじめ,かねてより,の意。「かねてのひ」を音読みすると兼日となる。和歌連歌などの歌会で,その場で詠む当座(とうざ)に対する語で,前もって題を出しておくこともいう。

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