歌会(読み)ウタカイ

デジタル大辞泉 「歌会」の意味・読み・例文・類語

うた‐かい〔‐クワイ〕【歌会】

人々が集まって、互いに詠んだ和歌を発表し批評し合う会。かかい。歌の会。

か‐かい〔‐クワイ〕【歌会】

人々が集まって和歌を詠み、互いに発表する会。うたかい。

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精選版 日本国語大辞典 「歌会」の意味・読み・例文・類語

うた‐かい‥クヮイ【歌会】

  1. 〘 名詞 〙 人々が集まって和歌を作り、懐紙あるいは短冊などに書いて、読み上げる会。歌の会。和歌会。かかい。
    1. [初出の実例]「中宮御方初有歌会」(出典中右記‐長承三年(1134)四月一一日)

か‐かい‥クヮイ【歌会】

  1. 〘 名詞 〙 作った歌を持ち寄ったり、また、その場で作ったりして発表し合う会。歌の会。うた会。〔文明本節用集(室町中)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「歌会」の意味・わかりやすい解説

歌会(うたかい)
うたかい

「かかい」ともいう。歌人が集まって詠んだ歌を披講(読み上げる)する会。現在は集まった歌人の作を批評する会。『万葉集』巻5の大宰府(だざいふ)の大伴旅人(おおとものたびと)邸の梅花の宴が文献のうえではもっとも古く、平安時代には、曲水宴などの年中行事、仏教行事や、観桜、観月や『日本書紀』などの講書竟宴(きょうえん)などで行われ、管絃(かんげん)、酒宴を伴う総合的遊宴儀式となっていき、宮中で行われる公的なものを公宴御会(こうえんごかい)といった。平安後期以後、遊宴儀式の性格から、より純粋な作歌の場、発表の場としての集まりが増加し、俊恵(しゅんえ)法師の歌林苑(かりんえん)の歌会のように、参加者も広く僧俗の間に広がっていく。鎌倉時代には百首歌のような定数歌や続歌(つぎうた)などの形式も盛行する。歌会の歌は、あらかじめ出題されている題によって詠む兼題が多く、当日の出題による当座もあったが、いずれにしても歌会では題詠の歌が発表された。発表は披講によった。現在、宮中で行われる歌会始(はじめ)は、その古式を伝える。なお、平安時代以来の歌合(うたあわせ)、室町時代に盛行した連歌(れんが)の会も歌会の一形式。今日では題詠による披講の歌会はまず行われない。互選や選者選による批評会、参加者の作の合評会の性格を強くしている。

武川忠一


歌会(かかい)
かかい

歌会

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歌会」の意味・わかりやすい解説

歌会
うたかい

題に応じて詠んだ和歌を互いに披露し,鑑賞や批評を行う会合。「かかい」ともいう。その発生は奈良時代にさかのぼり,現在にまでいたっているので,内容,規模にはかなりの幅がある。題詠が盛んになって形式的に完備した平安時代の例をとれば,あらかじめ出された題を詠んだ歌を清書し,読師 (とくし) が整理して,講師 (こうじ) が読上げ,儒者が代作した序を献上するという形で行われた。歌合 (うたあわせ) や中殿御会 (ちゅうてんのぎょかい) などはその典型的なものであるが,年中行事,花見,月見,雪見,行幸,神仏事,庚申 (こうしん) などさまざまな機会に催され,柿本人麻呂を祀って歌を詠む人麻呂影供 (えいぐ) や,学問,歌道にちなむ竟宴 (きょうえん) 和歌のような特殊なものもあった。現在では各流派で行われているものや,宮中で催される歌会始などがある。 (→歌披講 )  

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