家庭医学館 「内反肘」の解説
ないはんちゅう【内反肘 Cubitus Varus(Deformity)】
腕をまっすぐに伸ばしたとき、肘(ひじ)のところから小指側(内側)に弯曲(わんきょく)している変形を、内反肘といいます(「内反肘/外反肘」)。
ほとんどは、上腕骨(じょうわんこつ)の下端(肘)での骨折(顆上骨折(かじょうこっせつ)、通顆骨折(つうかこっせつ))の後遺症です。骨折の整復が不完全なときや、骨折が骨の成長していく部分である成長線(骨端線(こったんせん))にかかったときに、おこりやすいものです。
[症状]
変形は、肘を曲げたときにはあまりはっきりしませんが、手のひらを上にして、肘を完全に伸ばすとはっきりします。
軽い変形では、日常生活に支障をきたすことはありませんが、変形が強くなると、美容上の問題とともに、肘の曲げ伸ばしが完全にできなくなることがあります。
[治療]
弯曲の角度が20度以上で生活に支障があるとき、また美容上、本人が希望すれば手術を行ないます。手術は、骨折後1年以上たってから行ないます。
手術は、上腕骨の肘の部分で変形を矯正するように骨を切って(骨切り術)、鋼線やねじ釘(くぎ)で固定する方法がとられます。