円勢(読み)えんせい

改訂新版 世界大百科事典 「円勢」の意味・わかりやすい解説

円勢 (えんせい)
生没年:?-1134(長承3)

平安時代仏師長勢を継いだ円派仏師。1083年(永保3)法勝寺造仏により法橋に叙せられる。長勢亡きあとは造仏界の第一人者として証金剛院尊勝寺など,当時建立された主要寺院の仏像をすべて手がけ,1102年(康和4)には最高位法印にのぼっている。また野心家で,清水別当職を望んで一度は決まったものの興福寺大衆の反対によりあきらめざるをえないこともあった。作例は現存しない。
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関連語 真澄

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「円勢」の解説

円勢 えんせい

?-1135* 平安時代後期の仏師。
長勢の子とも弟子ともいわれる。円派の祖。法勝寺,鳥羽(とば)証金剛院,尊勝寺などの仏像を制作し,康和4年法印となる。ほかに高野山大塔,法成寺などのおおくの造仏にたずさわったが,現存するものはない。天永4年清水寺の別当に任じられた。長承3年閏(うるう)12月21日死去。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「円勢」の意味・わかりやすい解説

円勢
えんせい

[生]?
[没]長承3(1134)
平安時代後期の三条仏所円派の仏師。長勢の子または弟子。のち尊勝寺の造仏賞として法印に叙された。法勝寺をはじめとして祇園多宝塔,高野山大塔,白川九体堂,白河新阿弥陀堂など,京都の諸大寺を中心として仏像造顕に活躍し,のちの円派の強大な勢力伸長の基盤を築いた。確実な遺作はない。

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