分配律(読み)ぶんぱいりつ(英語表記)partition law
distribution law

精選版 日本国語大辞典 「分配律」の意味・読み・例文・類語

ぶんぱい‐りつ【分配律】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「分配律」の意味・読み・例文・類語

ぶんぱい‐りつ【分配律】

分配法則

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「分配律」の意味・わかりやすい解説

分配律 (ぶんぱいりつ)
partition law
distribution law

2種の互いに混ざり合わない溶媒A,Bを同じ容器に入れると,密度のちがいにより,上,下層(相)にわかれる(たとえば水と油)。ここでどちらの溶媒にも可溶な第3の成分Dを加えると,DはA,B中へ溶けていく。また,どちらか一方の溶媒(たとえばA)にあらかじめDを溶かしておいて,他方の溶媒(B)と一緒にしてよく振ると,A中に溶けていたDの一部は,AからBへ溶けて移っていく。すなわち分配される。このとき,A,B2相中のDの濃度CaCbとすると,その濃度比Ca/CbKは,加えるDの量に関係なく定温,定圧で一定となる。この関係を分配律,または発見者H.W.ネルンストの名にちなんでネルンストの分配律と呼び,K分配係数という。分配律は希薄溶液において成り立ち,化学ポテンシャル平衡の条件からも導かれる。ただし,溶質溶液中で,会合解離,反応などの変化をし,2液相中で溶存化学種が異なる場合には,上記の濃度比のままでは分配律は成立しない。この関係式は液相間のみならず,気相,固相の任意の相の間においても成立する。溶媒抽出法は分配律の応用で,物質抽出分離,精製などに応用されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「分配律」の意味・わかりやすい解説

分配律【ぶんぱいりつ】

互いに混じり合わない2液層中に一つの溶質が同じ状態で溶解するとき,希薄溶液とみなされる範囲での両液層中の濃度の比はその溶質の絶対量とは関係なく,一定温度・一定圧力のもとでは一定値となる,という法則。1891年H.W.ネルンストが発見。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

法則の辞典 「分配律」の解説

分配律【partition law,distribution law】

互いに混じり合わない2種類の液体(溶媒)に第3番目の物質が添加されたとき,平衡状態になるとこの第3番目の物質の濃度の比(分配比)は,濃度に関係なく一定となる.「ネルンストの分配の法則」ともいう.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android