刈安(読み)カリヤス

デジタル大辞泉 「刈安」の意味・読み・例文・類語

かり‐やす【刈安/青茅】

イネ科多年草山地に群生し、高さ約1メートル。葉は広線形。秋、茎の頂に枝分かれした穂を出す。古くから黄色染料に使用近江刈安 秋》
コブナグサ別名八丈刈安
刈安染め」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「刈安」の意味・わかりやすい解説

刈安
かりやす

カリヤスを原料とした染め色。刈安といわれるものに、(1)近江(おうみ)刈安または山刈安、(2)コカリヤスまたはウンヌケモドキ、(3)コブナグサまたはカイナグサの3種がある。近江刈安は『延喜式(えんぎしき)』にも載っている古典的な黄色染料で、伊吹山でとれるものが最良とされた。コブナグサは俗に八丈刈安ともいわれ、八丈島黄八丈を染めるのに用いられている。コカリヤスは前二者に比べると、色素の含有量も少なく、一般にはあまり用いられない。

 染法は、通常、乾燥した葉茎を煮出して煎汁(せんじゅう)をとり、これに糸または布帛(ふはく)を浸(つ)けて染液を浸透させてのちアルミナ媒染を行う。これには通常ツバキ科のツバキ、サカキヒサカキなどの灰汁(あく)が用いられる。一般にあまり耐久性のない黄色天然染料のなかでは、比較的堅牢(けんろう)度が高いので、単独または藍(あい)と併用して緑を染めるのに多く用いられた。

山辺知行

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「刈安」の解説

刈安 (カリヤス)

学名Miscanthus tinctorius
植物。イネ科の多年草,園芸植物

刈安 (カリヤス)

植物。イネ科の一年草。コブナグサの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android