刈安(読み)カリヤス

  • 刈安 (カリヤス)
  • 刈安/青=茅

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カリヤスを原料とした染め色。刈安といわれるものに、(1)近江(おうみ)刈安または山刈安、(2)コカリヤスまたはウンヌケモドキ、(3)コブナグサまたはカイナグサの3種がある。近江刈安は『延喜式(えんぎしき)』にも載っている古典的な黄色染料で、伊吹山でとれるものが最良とされた。コブナグサは俗に八丈刈安ともいわれ、八丈島で黄八丈を染めるのに用いられている。コカリヤスは前二者に比べると、色素の含有量も少なく、一般にはあまり用いられない。
 染法は、通常、乾燥した葉茎を煮出して煎汁(せんじゅう)をとり、これに糸または布帛(ふはく)を浸(つ)けて染液を浸透させてのちアルミナ媒染を行う。これには通常ツバキ科のツバキ、サカキ、ヒサカキなどの灰汁(あく)が用いられる。一般にあまり耐久性のない黄色天然染料のなかでは、比較的堅牢(けんろう)度が高いので、単独または藍(あい)と併用して緑を染めるのに多く用いられた。[山辺知行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ビットコイン

インターネット上で使用できる仮想通貨の一つ。日本円のような法定通貨とは異なり、通貨としての機能を持つ電子データであり、1ビットコインは、1BTCという単位で表記される。仮想通貨と似たものに、オンライン...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android