化学辞典 第2版 「加圧水型動力炉」の解説
加圧水型動力炉
カアツスイガタドウリョクロ
pressurized water reactor
略称PWR.約150 atm をかけられて液体に保たれた軽水を冷却材(第一次冷却水),減速材として使用する動力炉.第一次冷却水は熱交換器で熱を第二次冷却水の軽水に伝えてこれを蒸気にする.この蒸気がタービンを駆動して発電する.アメリカ,フランス,日本などでおもに発電用として使用されているが,原子力潜水艦の推進用原子炉もこのタイプである.軽水はもっとも効率的な減速材だが,水素の熱中性子吸収断面積が大きいという欠点があるため,核燃料には天然ウランではなく濃縮ウランが用いられる.PWRは細径の燃料棒を用いるので,沸騰水型動力炉(BWR)よりも炉心の体積が約1/2になる利点がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報