北代遺跡(読み)きただいいせき

日本歴史地名大系 「北代遺跡」の解説

北代遺跡
きただいいせき

[現在地名]富山市北代 大畑

呉羽山くれはやま丘陵の北東端、西側に舌状に張出した長岡ながおか丘陵の中央部に位置する。標高一五メートル。中期を主とした縄文時代の集落遺跡で、明治四〇年(一九〇七)八月の「富山日報」に遺跡が紹介されるなど、早くから知られていた。周辺の宅地化が進むなか、昭和五三年(一九七八)から五五年に発掘調査が行われ、住居跡四四基が確認され、石組炉を設けた住居跡一基を発掘した。直径四・五メートルの円形プランで中央に石組炉を設置する中期後葉のもの。南西壁面から、三角形土製品が出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「北代遺跡」の解説

きただいいせき【北代遺跡】


富山県富山市北代にある縄文時代の集落跡。市の中心部から西方にある呉羽(くれは)丘陵の北端に位置する。東西280m、南北200mの範囲に縄文時代の竪穴(たてあな)住居跡が75棟以上、中央部で高床建物跡が4棟以上確認されている。竪穴住居と高床建物が同じころに建てられ、豊富な遺物が出土する遺跡は北陸地方に少ないため、貴重な縄文時代の集落跡として、1984年(昭和59)に国の史跡に指定された。遺物は旧石器時代から縄文時代早期の押型文土器、縄文時代中期・晩期、弥生時代中期、奈良・平安時代のものがある。現在、当時の様子を再現した北代縄文広場が整備されている。JR北陸本線ほか富山駅から地鉄バス「北代新」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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