デジタル大辞泉 「縁」の意味・読み・例文・類語

えん【縁】[漢字項目]

常用漢字] [音]エン(呉)(漢) [訓]ふち へり よる ゆかり えにし よすが
〈エン〉
物のへり。ふち。「縁海縁辺外縁周縁
物事のつながり。かかわりあい。ゆかり。「縁由奇縁絶縁地縁無縁由縁ゆえん
婚姻によって生じる関係。親子・夫婦のつながり。「縁故血縁再縁遠縁内縁復縁離縁良縁類縁
仏教で、ある結果を生じる間接的な原因。「縁起因縁いんねん機縁宿縁前縁
〈ふち(ぶち)〉「額縁金縁黒縁
[名のり]まさ・むね・やす・ゆか・よし・より
[難読]薄縁うすべり所縁ゆかり

えん【縁】

《〈梵〉pratyayaの訳》仏語。結果を生じる直接的な原因に対して、間接的な原因。原因を助成して結果を生じさせる条件や事情。「前世からの
そのようになるめぐりあわせ。「一緒に仕事をするのも、何かのだろう」
関係を作るきっかけ。「同宿したのがで友人になる」
血縁的、家族的なつながり。親子・夫婦などの関係。「兄弟のを切る」
人と人とのかかわりあい。また、物事とのかかわりあい。関係。「金の切れ目の切れ目」「遊びとはのない生活」
(「椽」とも書く)和風住宅で、座敷の外部に面した側に設ける板敷きの部分。雨戸・ガラス戸などの内側に設けるものを縁側、外側に設けるものを濡れ縁ということが多い。
[類語](2因縁巡り合わせ回り合わせ縁起ジンクス/(3きっかけ機縁縁因/(5えにしゆかりつながりかかりあいかかわり関係よし縁故縁由つて手蔓コネ/(6濡れ縁縁台縁側

ゆかり【縁/所縁】

なんらかのかかわりあいやつながりのあること。因縁。「えんも―もない」「文豪―の地」「―の者を頼って上京する」
血縁関係のある者。親族。縁者。
「おのが―、西東合はせて六百人ばかり」〈宇津保・藤原の君〉
《「ゆかりじそ」の略》梅干と一緒に漬け込んだ紫蘇しその葉を乾燥させて粉にしたもの。飯にふりかけたりする。
[類語]かかわりかかりあいえんえにしよしみ関係つながり縁故縁由つて

ふち【縁】

物の端の部分。また、物の周りの、ある幅をもった部分。へり。「がけの」「が欠ける」「帽子の
刀の柄口つかぐちの金具。
[用法]ふち・へり――「机のふち(へり)に手をつく」「茶碗のふち(へり)」「崖のふち(へり)」のように、物のまわりやまぎわの部分の意では、相通じて用いられる。◇「ふち」には「目のふちを赤くする」とか、「眼鏡のふち」「がくぶち」のような、回りの枠をいう使い方もあり、この場合は「へり」は用いない。◇「へり」は、「船べり」「川べり」のように平らなものの周辺部をいうことが多く、さらに周辺部につける飾り物などの意まで広がる。「リボンでへりをつける」「畳のへりがすり切れる」
[類語](1へり隅っこ端っこ

えに‐し【縁】

《「えに(縁)」+強意の副助詞」から》えん。ゆかり。多く男女間についていう。
「われら二人、なんという薄い―であろう」〈藤村・春〉
[類語]かかわりかかりあいゆかりえんよしみ関係つながり縁故縁由つて

へり【縁】

池・穴などに接したすぐそば。そのものに入るすぐ手前をさす。「がけに立つ」「川の道」
もののはし。ふち。「机のひじをうつ」「船
2につけた飾り。特に、畳の長いほうの両端をつつんだ布。
ふち(縁)[用法]
[類語]隅っこ端っこ

よす‐が【縁/因/便】

《「寄す」の意。古くは「よすか」》
身や心のよりどころとすること。頼りとすること。また、身寄り。血縁者。よるべ。「知人を―に上京する」「身を寄せる―もない」
手がかり。手だて。方法。「今ではもう昔を知る―はない」
[類語]手掛かり足掛かり

えに【縁】

《「えん(縁)」の「ん」を「に」で表記したもの》えん。ゆかり。ちなみ。和歌では「江に」に掛けて用いることが多い。
「みをつくし恋ふるしるしにここまでもめぐり逢ひける―は深しな」〈・澪標〉

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精選版 日本国語大辞典 「縁」の意味・読み・例文・類語

えん【縁】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] 二つ以上のものが寄りついてかかわりを持つ作用を表わす。
    1. 仏語。
      1. (イ) 広義には結果を引き起こす因のこと。狭義には結果を引き起こす直接の内的な原因である因に対し、それを外から助ける間接の原因をいう。
        1. [初出の実例]「重輅軽走、抑亦油縁」(出典:三教指帰(797頃)上)
        2. 「縁を待ちて形を顕し給ふ事」(出典:観智院本三宝絵(984)上)
      2. (ロ) 心が外の事物に向かって行なうはたらきかけ。攀縁(はんえん)
        1. [初出の実例]「縁は物を聞きもし、見もする心也」(出典:袋草紙(1157‐59頃)上)
    2. から生じたような)人と人とのめぐり合わせや結びつき。縁故。
      1. [初出の実例]「つぎつぎえんたづねて、文得んといはすれば」(出典:能因本枕(10C終)八二)
    3. 親子、夫婦、主従など、人と人との結びつき。つづきあい。あいだがら。
      1. [初出の実例]「我子の縁にむすぼほれざらむには」(出典:平家物語(13C前)二)
    4. 関係を持つきっかけ。現在の状況をもたらす過去からの関係。えに。えにし。
      1. [初出の実例]「さてさて不思議の御ゑんでお心やすくいたした」(出典:黄表紙・敵討義女英(1795)上)
    5. 物事との関係。つながり。
      1. [初出の実例]「何程えらい学者になっても、頓と実際の仕事に縁(エン)がない。即ち衣食に縁(エン)がない」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉緒方の塾風)
    6. えんご(縁語)」の略。
      1. [初出の実例]「歌をはやく詠まむ故実には、題につきて縁をいそぎ求めて」(出典:和歌肝要(1296頃))
  3. [ 二 ] ( 「椽」とも書く ) 物事のまわり、周辺を表わす。
    1. 物事のへり。ふち。端。「外縁」「周縁」
    2. 家の外側の板敷きの部分。
      1. (イ) 寝殿造りで、母屋(もや)の廂(ひさし)の外側や渡殿に張り渡された板敷きの部分。
        1. [初出の実例]「この皇子(みこ)〈略〉えんにはひ上(のぼ)り給ひぬ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
      2. (ロ) 座敷の外側に作り付けた細長い板敷き。縁側。
        1. [初出の実例]「涼しさや椽より足をぶらさげる〈支考〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)夏)
      3. (ハ) ( 縁側に代用される台の意で ) 縁台。
        1. [初出の実例]「咲花にかき出す椽のかたぶきて〈芭蕉〉」(出典:俳諧・去来抄(1702‐04)先師評)

縁の語誌

( 1 )[ 一 ]について。( イ )「縁」は仏教語では四縁〈因縁・等無間縁(次第縁)・所縁縁(縁縁)・増上縁〉のうち増上縁に当たる。( ロ )「日本書紀」「風土記」などでは、縁をコトノモトと読む。これらは因縁由来の意であり、次第に縁は男女(夫婦)、親子、主従など仏教語からは離れた用法に傾いてゆく。→えにえにし
( 2 )[ 二 ]について。( イ )寝殿造りで廂の間をとりまいている部分のうち、板を横に並べた板敷きを「簀子(すのこ)」といい、板を縦に並べたものを「縁(えん)」または「縁側(えんがわ)」と呼ぶとする説がある。おおむね東、南、西側は簀子で、北側に縁を用いていたようである。( ロ )現代の民家では、縁板を奥行き方向に張った縁を切り目縁(きりめえん)あるいは木口縁(こぐちえん)といい、長手方向に張った縁を榑縁(くれえん)という。


よす‐が【縁・因・便】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「よすか」。「寄す処(か)」の意 )
  2. 身や心を寄せて頼りとすること。ゆかりとすること。よりどころとすること。また、そのものや、こと。つて。よるべ。ちなみ。
    1. [初出の実例]「志賀の山いたくな伐りそ荒雄らが余須可(ヨスカ)の山と見つつ偲(しの)はむ」(出典:万葉集(8C後)一六・三八六二)
    2. 「御(お)てきといひて、御用の物をして、是をよすがの思ひでとなし」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)三)
  3. 頼りとする人の意で、特に、夫または妻。また、血縁の者。知己。
    1. [初出の実例]「もの知り、思ひ知りたる女の、心ありと見ゆるなど語らひて、あまた行くところもあり、もとよりのよすがなどもあれば、しげくも見えぬを」(出典:枕草子(10C終)二九二)
    2. 「もとより妻子なければ、捨てがたきよすがもなし」(出典:方丈記(1212))
  4. てがかり。てだて。方法。
    1. [初出の実例]「人の身は得がたくあればのりのたの与須加(ヨスカ)となれり努め諸々進め諸々」(出典:仏足石歌(753頃))
    2. 「山林に入ても、餓(うゑ)を助け、嵐を防ぐよすがなくては」(出典:徒然草(1331頃)五八)

えに‐し【縁】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「えに(縁)」に強めの助詞「し」の付いたものから ) =えに(縁)
  2. (イ) 「し」が助詞としての性質を保っているとみられるもの。
    1. [初出の実例]「とりて見れば、かち人の渡れど濡れぬえにしあれば、と書きて末はなし」(出典:伊勢物語(10C前)六九)
  3. (ロ) 熟して一語化したとみられるもの。
    1. [初出の実例]「またこの川は所から、名に流れたる海人小舟、初瀬の山と詠み置ける、その川のべの縁(えに)しあるに、不審はなさせ給ひそとよ」(出典:謡曲・玉葛(1470頃))

縁の語誌

( 1 )和歌では、「えにし」の「え」に江・枝を掛けることが多い。また、「えに」が単独で用いられることはまれで、ふつう、「えにしあらば」「えにしあれば」などと、強めの助詞「し」を伴う。
( 2 )(イ)挙例の「伊勢物語‐六九」などがもととなって、「えにし」で特に男女の間柄を意味することが多くなり、一方俗語としても用いられた「えに(縁)」に対する雅語意識も働いて、一語化したものか。


ゆかり【縁】

  1. 〘 名詞 〙
  2. なんらかのかかわりあい。多少のつながり。ちなみ。機縁。
    1. [初出の実例]「大空のゆかりと聞けばまだみねど雲に埋る跡ぞゆゆしき」(出典:安法集(983‐985頃))
    2. 「大弐の北の方のたてまつり置きし御衣どもをも、心ゆかずおぼされしゆかりに、見入れ給はざりけるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蓬生)
  3. 血のつながりのある者。血縁。縁者。また、夫から見た妻、または妻から見た夫。親族。一族。
    1. [初出の実例]「ゆかりとも聞えぬものを山吹の蛙の声に匂ひけるかな」(出典:貫之集(945頃)三)
    2. 「七条院の御ゆかりの殿原、坊門大納言忠信・尾張中将清経」(出典:増鏡(1368‐76頃)二)
  4. ゆかりじそ(縁紫蘇)」の略。
    1. [初出の実例]「ハアゆかりか妙だ妙だ。是でやっと目がさめた」(出典:滑稽本・大山道中膝栗毛(1832)初)

ふち【縁】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物のまわりの部分。へり。めぐり。多く、ふちどりしたりして他と区別できるような、周縁の部分をいう。
    1. [初出の実例]「的のかたにいろどられたりし車のよこさまのふちをゆみのかたにし」(出典:大鏡(12C前)四)
  3. 刀剣の柄口(つかぐち)、鞘口(さやぐち)の金具。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「ふちはなるとにたつ波の、さっと打たる岩崎や」(出典:浄瑠璃・博多露左衛門色伝授(1708)五)

へり【縁】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物の端。めぐり。まわり。ふち。また、物の端につけた装飾など。
    1. [初出の実例]「簾もへりは蝙蝠にくはれて」(出典:大和物語(947‐957頃)一七三)
  3. 特に、畳やござのふちにつけた布。
    1. [初出の実例]「高麗縁(かうらいばし)の、筵青うこまやかに厚きが、へりの紋いとあざやかに」(出典:枕草子(10C終)二七七)

えに【縁】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「えん(縁)」の韻尾の n を「に」で表記したもの ) ゆかり。縁故。ちなみ。
    1. [初出の実例]「みをつくし恋ふるしるしにここまでもめぐりあひけるえには深しな」(出典:源氏物語(1001‐14頃)澪標)

縁の語誌

→「えにし(縁)」の語誌


え【縁】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「えん」の「ん」の無表記 ) ゆかり。つながり。えにし。えん。
    1. [初出の実例]「秋かけていひしながらもあらなくに木の葉ふりしくえにこそありけれ」(出典:伊勢物語(10C前)九六)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「縁」の意味・わかりやすい解説


えん
pratyaya

仏教用語。仏教ではあらゆる存在に固定的実体を認めず,諸条件の寄集ったものと考えるが,その因果関係において,因を助成する間接的原因を縁という。

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デジタル大辞泉プラス 「縁」の解説

縁(えにし)

日本のポピュラー音楽。歌は女性演歌歌手、島津亜矢。2013年発売。作詞:坂口照幸、作曲:水森英夫。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「縁」の意味・わかりやすい解説


えん

因縁

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