十六国春秋(読み)ジュウロッコクシュンジュウ(その他表記)Shí liù guó chūn qiū

デジタル大辞泉 「十六国春秋」の意味・読み・例文・類語

じゅうろっこくしゅんじゅう〔ジフロクコクシユンジウ〕【十六国春秋】

中国史書北魏崔鴻撰。五胡十六国歴史を記したもの。散逸し、現行の100巻本は代の屠喬孫ときょうそん項琳こうりんとの偽作とされる。

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精選版 日本国語大辞典 「十六国春秋」の意味・読み・例文・類語

じゅうろっこくしゅんじゅうジフロクコクシュンジウ【十六国春秋】

  1. 中国の史書。一〇〇巻。北魏の崔鴻撰。「芸文類聚」などにすでに引用されているが散逸。現行一〇〇巻本は明の屠喬・孫項琳の偽書。前趙録に始まり北燕録に終わる五胡一六国の国史を私撰したもの。清の湯球も「十六国春秋輯補」一〇〇巻を撰した。

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改訂新版 世界大百科事典 「十六国春秋」の意味・わかりやすい解説

十六国春秋 (じゅうろっこくしゅんじゅう)
Shí liù guó chūn qiū

中国,五胡十六国の各国史をまとめた書物。北魏末期の史官であった崔鴻が,十六国でそれぞれ編纂された国史に基づいて私撰したもので,100巻あったが今は伝わらない。現行100巻本は明の屠喬孫と項琳の偽作。ただ原本を簡略にした10巻本が当時作られていたことが知られ,《広漢魏叢書》等に収める16巻本がそれとなんらか関係あるとみられる。清の湯球は逸文や《晋書載記にもとづいて復元を試み,《十六国春秋輯補》100巻を作った。五胡十六国史の研究に有益。
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